高校化学基礎 Unit 05 ・ 単元3「化学結合」

化学結合

NaClの結合とH₂Oの結合はどう違う?なぜ水は折れ線形で、二酸化炭素はまっすぐなのか?
実際の分子・結晶データを使った3Dモデルで、化学結合と分子の形を体感しながら学ぼう。

🧂 イオン結合🔗 共有結合📐 分子の形⚡ 金属結合
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単元マップ

この単元では、原子どうしがどう結びつくかを4種類の結合(イオン結合・共有結合・配位結合・金属結合)で学び、共有結合からできる分子の形と極性を理解し、最後に結晶を4タイプに分類して性質を比較する。この先の3D図はすべて実在する分子・結晶の構造データ(PubChem・Crystallography Open Database)を使って描画しており、マウス/指でドラッグして回転できる。

単元3「化学結合」の単元マップ 化学結合(イオン結合・共有結合・配位結合・金属結合)から出発し、分子の形と極性を経て、結晶の分類へとつながる図。 化学結合 - 単元マップ 化学結合の種類 イオン結合 共有結合 配位結合 金属結合 分子の形と極性・分子間力 ↓ 結晶の分類と性質へ

図0:単元3の全体像。4種類の結合を学んだあと分子の形・分子間力へ進み、最後に結晶の分類でまとめる。

🖱️ この単元の立体図はすべてPubChemCrystallography Open Database(COD)の実データを3Dmol.jsで描画したものです。ドラッグで回転、スクロールで拡大縮小できます。
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イオン結合とイオン結晶

食塩(塩化ナトリウム)は、プラスの電気を帯びたナトリウムイオンと、マイナスの電気を帯びた塩化物イオンが、磁石のS極とN極のように引き合ってできている。この「プラスとマイナスが引き合う力」による結びつきをイオン結合という。

1個のNaと1個のClがペアを作って終わり、ではなく、無数のNaイオンとClイオンが規則正しく交互に並んで、大きな結晶の塊をつくる。

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共有結合

私たちが吸っている酸素(O₂)や、空気の8割を占める窒素(N₂)は、同じ種類の原子どうしが電子を「共有」してくっついている。1人1枚ずつ持っていたタオルを2人で1枚を一緒に使うようなイメージで、電子を出し合って共有することで結びつく。これを共有結合という。

共有する電子の組(ペア)の数によって、結びつきの強さが変わる。

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分子の形と極性

水の分子(H₂O)は一直線ではなく、「く」の字に折れ曲がった形をしている。一方、二酸化炭素(CO₂)はまっすぐ一直線の形。この形の違いが、水が油と混ざらない・二酸化炭素は水にあまり溶けない、といった性質の違いにつながっている。

分子の中の電子の偏り方と、分子全体の「形」が組み合わさることで、水のように部分的にプラスとマイナスの偏りを持つ分子(極性分子)と、偏りを持たない分子(無極性分子)に分かれる。

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配位結合

ふつうの共有結合は、2つの原子がそれぞれ1個ずつ電子を出し合って電子対を作る。ところが中には、片方の原子だけが電子を2個とも用意して「貸し出す」ことでできる結合もある。これを配位結合という。アンモニア水が肥料やアンモニア臭のもとになる仕組みには、この配位結合が関わっている。

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金属結合

10円玉(銅)や針金(鉄・アルミ)を曲げても切れずに形が変わるのは、金属特有の結びつき方のおかげ。金属の中では、電子が特定の原子に所属せず、全体を自由に動き回っている。この自由な電子が金属原子どうしをまとめて結びつけている。

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分子間力

水(H₂O、分子量18)は100℃で沸騰するのに、それより分子が重いはずのプロパンガス(分子量44)はマイナス42℃で沸騰してしまう。これは分子どうしを引き止める「分子間力」という弱い力の強さが物質によって違うから。水の分子間力が特別強いことが、水が常温で液体でいられる理由の1つになっている。

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結晶の分類と性質

ここまで学んだ4つの結合(イオン結合・共有結合・金属結合、そして分子どうしを結ぶ分子間力)は、それぞれ違うタイプの結晶を作る。食塩、ダイヤモンド、10円玉、ドライアイス——見た目は全然違うこれらの固体も、「原子やイオンがどんな力で結びついているか」という1つの視点で整理できる。

✅ この単元のまとめ

  • イオン結合:陽・陰イオン間のクーロン力;硬くてもろい・融点高い。イオン結晶に「分子」という単位はない
  • 共有結合:電子対の共有;単結合・二重結合・三重結合の順で強く短い
  • 分子の形:電子対反発則で決まる(CH₄=正四面体, NH₃=三角錐, H₂O=折れ線, CO₂=直線)。形の対称性によって極性の有無が決まる
  • 配位結合:一方の原子だけが電子対を提供する結合。できた結合は普通の共有結合と区別できない(例:NH₄⁺, H₃O⁺)
  • 金属結合:自由電子と金属陽イオン;導電性・展性・延性・金属光沢
  • 分子間力:ファンデルワールス力(全分子間)と水素結合(F,O,NにHが直結した場合)。水の高い沸点は水素結合による
  • 結晶の4分類:イオン結晶・共有結合の結晶・分子結晶・金属結晶。結びつく力の種類で硬さ・融点・電気伝導性が決まる

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