高校化学基礎 Unit 15 ・ 単元6「酸化還元」3/3ページ

金属の酸化還元反応・電池・電気分解

なぜ銅は塩酸に溶けないのに硝酸に溶ける?スマホのバッテリーと電気分解は何が逆なのか?
イオン化傾向から電池・電気分解まで、はじめての人から難関大志望者まで使えるレベルで整理しよう。

🔋 イオン化傾向🔌 電池⚡ 電気分解

📍 単元6「酸化還元」3/3ページ:① 酸化と還元 → ② 酸化剤と還元剤 → ③ 金属と電池(このページ)

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金属のイオン化傾向

金(金)のアクセサリーが何百年たっても輝きを失わないのに、鉄くぎはすぐに赤錆びる。この違いは「電子を手放して陽イオンになりやすいかどうか」という金属ごとの性格の差から生まれる。この性格の順番をランキング化したものがイオン化傾向。

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金属と酸・水との反応

10円玉(銅)を薄い塩酸に入れてもほとんど何も起こらないが、アルミホイル(アルミニウム)を入れると気泡(水素)が出て溶けていく。イオン化傾向の順位によって、「どの酸となら反応できるか」がはっきり決まっている。

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電池

車のバッテリーもスマホの充電池も、中身は「イオン化傾向の異なる2種類の金属(や物質)を使って、電子が自然に流れる仕組み」を利用している。電子が流れたがる方向をうまく外部の回路に導いてあげることで、電気として取り出せる。これが電池の正体。

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電気分解

電池は「化学反応から電気を作り出す」しくみだったが、電気分解はその逆で「外から電気を流し込んで、自然には起こらない化学反応を無理やり起こす」しくみ。アルミニウムの精錬やめっき加工など、工業的にも重要な技術だ。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ イオン化傾向

次の金属のうち、イオン化傾向が最も大きいものはどれか。

  • アCu
  • イZn
  • ウAg
  • エFe
答えを見る

答えイ

イオン化列では Zn > Fe > Cu > Ag の順。

問2 ★ ダニエル電池

ダニエル電池で、負極になる金属は亜鉛と銅のどちらか。

答えを見る

答え亜鉛

イオン化傾向が大きいほうの金属が負極になる。

問3 ★★ 金属と酸の反応

次の金属のうち、希塩酸に入れても水素を発生しないものはどれか。

  • アMg
  • イZn
  • ウFe
  • エCu
答えを見る

答えエ

水素よりイオン化傾向が小さい金属は、希塩酸や希硫酸と反応しない。

問4 ★★ 電気分解

電気分解で、酸化反応が起こるのは陽極と陰極のどちらか。

答えを見る

答え陽極

電池では負極で酸化、電気分解では陽極で酸化が起こる。

問5 ★★ 電子の物質量

ダニエル電池の負極では Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ の反応が起こる。亜鉛 0.10 mol がとけたとき、流れた電子は何molか。有効数字2桁で答えよ。

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答え0.20 mol

Zn 1 mol から電子が 2 mol 出る。

問6 ★★★ 電池の量的関係

ダニエル電池で、負極の亜鉛が 1.3 g とけた。このとき、正極に析出する銅は何gか。原子量は Zn = 65、Cu = 64 とする。有効数字2桁で答えよ。

答えを見る

答え1.3 g

亜鉛 0.020 mol がとけると、銅も 0.020 mol 析出する。0.020 × 64 = 1.28。

✅ この単元のまとめ

  • イオン化列:Li K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au。左側ほど反応性が高い
  • Cu, Agは希塩酸・希硫酸と反応しないが、希硝酸・濃硝酸・熱濃硫酸とは反応(酸化力のある酸)
  • 不動態:Fe, Ni, Alは濃硝酸で酸化被膜を形成してそれ以上溶けない(金属自体の性質が変わったわけではない)
  • 電池:イオン化傾向の大きい方が負極(酸化)、小さい方が正極(還元)。ダニエル電池は一次電池、鉛蓄電池は二次電池
  • 電気分解:電気エネルギーで非自発的な反応を起こす。陽極で酸化、陰極で還元(電池と役割の対応が逆)

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