原子と分子
すべての物質は「原子」からできている。
元素記号を覚え、原子が集まった分子と化学式を理解しよう。
原子とは
紙をどんどん小さく切っていくと、最終的にはもうこれ以上分けられない、非常に小さな粒にたどり着く。これが原子である。すべての物質は、この原子という小さな粒からできている。
すべての物質は原子(atom)という非常に小さい粒からできている。 原子は化学変化によってそれ以上分割・生成・消滅しない——これがドルトンの原子説の核心。
📌 原子の基本ルール
- 種類によって質量・大きさが決まっている
- 化学変化で新しく生まれたり、なくなったりしない
- 化学変化で別の種類の原子に変わることはない
- 非常に小さく(直径 約 10⁻¹⁰ m ≈ 0.1 nm)、目で見えない
❌ よくある誤解
鉄が錆びても鉄原子が別の原子に変わったわけではなく、鉄原子と酸素原子の組み合わせ方が変わっただけ。原子の種類そのものが変わる変化は「核反応」であり、中学・高校で学ぶ化学変化とは全く別のしくみである。
高校の化学基礎では、原子は「それ以上分割できない粒」ではなく、内部に陽子・中性子・電子という、さらに小さい粒子を持つ構造が学べる。原子の性質(何の元素か、イオンになりやすいかなど)は、この内部構造によって決まることを学んでいく。化学基礎・単元2と関連
📖 化学基礎「原子の構成粒子」を見てみる元素記号
元素記号は、世界共通で使われる原子の「略号」。水素はH、酸素はO、というように、世界中どこでも同じ記号が通じる、いわば化学の世界の共通言語である。
原子の種類を元素といい、それぞれアルファベット1〜2文字の元素記号で表す。
🔤 中学で覚えておきたい主な元素記号
| 元素名 | 記号 | 元素名 | 記号 | 元素名 | 記号 |
|---|---|---|---|---|---|
| 水素 | H | 炭素 | C | ナトリウム | Na |
| ヘリウム | He | 窒素 | N | マグネシウム | Mg |
| リチウム | Li | 酸素 | O | アルミニウム | Al |
| ベリリウム | Be | フッ素 | F | ケイ素 | Si |
| ホウ素 | B | ネオン | Ne | リン | P |
| 鉄 | Fe | 銅 | Cu | 塩素 | Cl |
| 銀 | Ag | カリウム | K | カルシウム | Ca |
| 亜鉛 | Zn | 硫黄 | S | バリウム | Ba |
元素記号は1文字目は必ず大文字、2文字目があれば必ず小文字で書く。「Na」を「NA」や「na」と書くと誤りになる。
高校では、元素記号を並べた「周期表」を本格的に使いこなすようになる。縦の列(族)や横の行(周期)に並んだ元素どうしが似た性質を持つ理由を、電子配置と結びつけて理解していく。化学基礎・単元4と関連
📖 化学基礎「周期表の構造」を見てみる分子と化学式
水(H₂O)は水素原子2個と酸素原子1個が結びついた粒でできている。このように、いくつかの原子が結びついてできた粒を分子といい、その組み合わせを元素記号と数字で表したものが化学式である。
原子が結びついてできる粒を分子という。分子の種類と数を元素記号で表したものが化学式。
図1:代表的な分子の構造。数字の添字(₂など)は原子の個数を表す。
🧪 化学式のルール
- 元素記号を並べて書く(順番は決まりがある)
- 原子が複数のときは右下に小さく数字(例:H₂O = H が2個・O が1個)
- 1個のときは数字を書かない(O₁ではなくO)
❌ よくある誤解
NaClの化学式は「分子1個の中の原子数」ではなく、Na⁺とCl⁻の「個数の比が1:1であること」を表している。この違いは高校でイオン結合を学ぶときにさらに重要になる。
高校化学基礎では、原子量・分子量・式量という「粒子の重さ」を数値で扱うようになり、さらに「mol(モル)」という、粒子の個数を表す新しい単位を学ぶ。化学反応式の係数と物質量を結びつけて、実際に反応する物質の質量や体積を計算できるようになる。化学基礎・単元6と関連
📖 化学基礎「mol(物質量)の概念」を見てみる✅ この単元のまとめ
- 原子:物質の最小単位。種類によって質量・大きさが決まる
- 元素記号:アルファベット 1〜2 文字(例:H・O・Fe・Na)
- 分子:原子が結びついてできた粒(例:H₂・O₂・H₂O・CO₂)
- 化学式:元素記号と数字(添字)で分子を表す
- 単体:1種類の元素だけの純物質(H₂・O₂・Fe など)
- 化合物:2種類以上の元素からなる純物質(H₂O・NaCl など)
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