呼吸と排出
呼吸って体の中でどこで起きているの?不要物はどう体外に出るの?
肺のガス交換とじん臓・肝臓の役割を整理しよう。
肺のつくりとガス交換
肺の中は、1つの大きな袋ではなく、無数の小さな袋(肺胞)の集まりでできている。小さな袋にすることで表面積を大きくし、酸素と二酸化炭素を効率よく交換できるようにしている。
肺は肺胞(小さな袋の集まり)で構成され、毛細血管との間で O₂ と CO₂ を交換する。肺胞によって表面積が非常に大きくなっている。
図1:肺胞での O₂/CO₂ ガス交換。肺胞は薄い膜で囲まれた小袋で、毛細血管と隣り合っている。
💨 呼吸運動のしくみ
- 吸気:横隔膜が下がり、ろっ骨が上がる → 胸腔容積が増え → 肺に空気が入る
- 呼気:横隔膜が上がり、ろっ骨が下がる → 胸腔容積が減り → 肺から空気が出る
- 肺自体には筋肉がなく、胸腔の体積変化で受動的に動く
❌ よくある誤解
肺は自力で動く器官ではなく、周囲の筋肉の動きによって空気の出入りが起こる、という受動的なしくみである点が誤解されやすい。
高校生物では、肺胞から取り込まれたO₂が、ヘモグロビンとの結合・解離を通じて組織まで運ばれる過程を、酸素分圧・二酸化炭素分圧という物理量で定量的に扱う。呼吸運動が脳の呼吸中枢によって血中CO₂濃度を感知して調節されているしくみも学ぶ。高校生物の範囲
排出のしくみ(じん臓・肝臓)
体の中でタンパク質が使われると、有毒なアンモニアという物質ができる。これを肝臓が無害な尿素に作り変え、じん臓が血液からこし取って尿として体外に出す。この2つの器官のリレーが、体の中の毒抜きを担っている。
不要な物質を体外に出すことを排出という。じん臓は尿をつくり、肝臓はアンモニアを分解(尿素に変換)する。
🫘 じん臓・肝臓のはたらき比較
| 器官 | 主なはたらき | 排出経路 |
|---|---|---|
| じん臓 | 血液をろ過して尿をつくる(余分な水・塩分・尿素を除去) | 尿管→膀胱→尿道→体外 |
| 肝臓 | アンモニア(有毒)を尿素(無害)に変換;胆汁の生成;グリコーゲン貯蔵 | 尿素は血液でじん臓へ |
| 皮膚(汗腺) | 汗として水・塩分・少量の尿素を排出 | 汗として体表面から |
| 肺 | CO₂(細胞呼吸の廃物)を排出 | 呼気として |
❌ よくある誤解
「作る(肝臓)」と「排出する(じん臓)」という2段階の役割分担を混同しないこと。この2つの器官は連携して働いている。
高校生物では、じん臓の中の構造単位である「ネフロン(腎単位)」を学び、血液がろ過されて原尿になる過程と、その後必要な水分・グルコースなどが再吸収されて最終的な尿が作られる2段階の仕組みを、定量的に扱う。高校生物の範囲
✅ この単元のまとめ
- 肺胞で O₂(肺胞→血液)と CO₂(血液→肺胞)が交換される
- 吸気:横隔膜下降・ろっ骨上昇で胸腔拡大→肺に空気が入る
- じん臓:血液をろ過して尿をつくり不要物を排出する
- 肝臓:アンモニアを無害な尿素に変える解毒作用をもつ
- 皮膚(汗)と肺(CO₂呼気)も排出器官の一つ
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