植物のはたらき
植物はなぜ緑色?どうやってエネルギーを得るの?
光合成・呼吸・蒸散の3つのはたらきを整理しよう。
光合成
植物は動物のように食べ物を探し回らなくても生きていける。日光と水と空気中の二酸化炭素さえあれば、自分自身で栄養(デンプン)を作り出せるからだ。この能力を光合成という。
植物は葉の葉緑体で光エネルギーを使い、CO₂と H₂O からデンプン(有機物)と O₂ をつくる。この過程を光合成という。
図1:光合成のしくみ。葉緑体が CO₂・H₂O と光エネルギーを使ってデンプンと O₂ をつくる。
❌ よくある誤解
植物の体の大部分(乾燥重量)は、実は空気中の二酸化炭素由来の炭素からできている。「土から栄養を吸い上げるだけ」という誤解は根強いので注意。
高校生物では、光合成をさらに「光を使ってATPと還元力を作る反応(光化学系)」と「その力を使ってCO₂から糖を作る反応(カルビン・ベンソン回路)」の2段階に分けて、分子レベルで詳しく学ぶ。高校生物の範囲
呼吸との違い
「植物は昼にO₂を出して、夜にCO₂を出す」と思われがちだが、実は植物も動物と同じように24時間ずっと呼吸をしている。昼間は光合成の勢いが呼吸を上回るため、差し引きでO₂が出ているように見えるだけである。
植物も動物と同様に呼吸(細胞呼吸)を行い、有機物を分解してエネルギーを得る。光合成は光があるときだけ行われるが、呼吸は昼夜を問わず続く。
⚖️ 光合成と呼吸の比較
| 光合成 | 呼吸 | |
|---|---|---|
| 行う場所 | 葉緑体 | ミトコンドリア・細胞質 |
| 条件 | 光が必要 | 昼夜問わず常時行う |
| CO₂ | 吸収する | 放出する |
| O₂ | 放出する | 吸収する |
| 有機物 | つくる(デンプン) | 分解する |
| エネルギー | 光エネルギーを吸収 | 化学エネルギーを放出 |
❌ よくある誤解
「夜に植物のそばで寝ると酸欠になる」という俗説は、量的に見るとほぼ無視できるレベルの現象であり、過度に恐れる必要はない。
高校生物では、呼吸を「解糖系→クエン酸回路→電子伝達系」という3段階の反応として学び、1分子のグルコースから最大38分子のATP(エネルギーの通貨)が作られる詳細な過程を扱う。高校生物の範囲
蒸散
暑い日に木の下が涼しく感じるのは、葉から水分が水蒸気となって出ていく「蒸散」が行われているから。この蒸散が、根から高い枝先まで水を吸い上げるポンプの役割も果たしている。
葉の気孔から水蒸気が出ていく現象を蒸散という。気孔は孔辺細胞に囲まれており、主に葉の裏側に多い。
💧 蒸散の役割
- 根から水を吸い上げる力(吸水力)を生み出す
- 体温調節(余分な熱を水蒸気として放散)
- 葉・茎・根の水分・無機物の輸送を促す
高校生物では、蒸散による水の吸い上げを「蒸散流」と呼び、水分子どうしが引き合う性質(凝集力)によって、道管の中で水の柱が途切れずに高い木のてっぺんまで持ち上がる仕組み(凝集力説)を学ぶ。高校生物の範囲
✅ この単元のまとめ
- 光合成:CO₂ + H₂O →(光)→ デンプン + O₂(葉緑体で行う)
- 光合成は光があるときだけ;呼吸は昼夜を問わず行われる
- 日中(十分な光のとき)は光合成量>呼吸量で O₂ が正味放出される
- 蒸散:気孔から水蒸気を放出;根からの水の吸い上げを助ける
- 気孔は主に葉の裏側に多く、孔辺細胞で開閉する
理科専門塾 Chem Atlas Academy
調べる力を、得点力に変える塾。
中学・高校・高専生のための、完全オンライン理科専門塾。
授業はせず、月4回のオンライン解説で伴走します。
💡 内容の誤りやご意見はお気軽にどうぞ。
✉️ お問い合わせはこちら