高校化学 Unit 08

反応速度

反応が速い・遅いを決めるのは何?速度式と活性化エネルギー、触媒の役割を実際の計算グラフで理解しよう。

📈 速度式⛰️ 活性化エネルギー🔬 触媒の効果
1

反応速度と速度式

鉄はゆっくり錆びるが、花火はあっという間に燃え尽きる。どちらも酸素と結びつく反応(酸化)なのに、進む速さは全く違う。この「反応の速さ」を数値で表したものが反応速度である。

反応速度は、温度を上げる(お湯の方が氷砂糖が速く溶ける)、濃度を濃くする、細かく砕いて表面積を増やす(角砂糖より粉砂糖の方が速く溶ける)、といった条件で変化する。これらの条件がなぜ速度に影響するのかを、粒子どうしの衝突という視点で理解していく。

2

活性化エネルギーと触媒

紙は酸素の中に置いておくだけでは燃えないが、マッチの火を近づけると燃え始める。これは、反応を始めるには乗り越えなければならない「エネルギーの壁」があるからだ。この壁を活性化エネルギーという。

大根おろしや、うがい薬に含まれる酵素・触媒は、この壁の高さを下げてくれる働きがある。例えば過酸化水素水(オキシドール)に生の肉片(カタラーゼという酵素を含む)を入れると、酸素の泡が勢いよく発生する。これは触媒が壁を低くして反応を起こりやすくしているためだ。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ 活性化エネルギー

反応が起こるために越えなければならない、エネルギーの山の高さを何というか。

答えを見る

答え活性化エネルギー

触媒は、この山を低くする。

問2 ★ 触媒

次の文は正しいか、誤りか。
「触媒は、反応の前後で別の物質に変化している。」

答えを見る

答え誤り

触媒は反応を速くするが、それ自身は反応の前後で変化しない。

問3 ★★ 平均の反応速度

ある反応物の濃度が、20 秒間に 1.0 mol/L から 0.60 mol/L に減少した。この間の平均の反応速度は何mol/(L·s)か。有効数字2桁で答えよ。

答えを見る

答え0.020 mol/(L·s)

反応速度 = 濃度の変化量 ÷ 時間。

問4 ★★ 速度式

反応速度が v = k[A] で表される反応がある。k = 0.020 /s、[A] = 0.50 mol/L のとき、反応速度は何mol/(L·s)か。有効数字2桁で答えよ。

答えを見る

答え0.010 mol/(L·s)

v = k[A] に代入する。

問5 ★★ 濃度と反応速度

反応速度が v = k[A][B] で表される反応がある。温度を変えずに、[A] を2倍、[B] を3倍にすると、反応速度は何倍になるか。

答えを見る

答え6倍

v は [A] と [B] のそれぞれに比例する。

問6 ★★★ 半減期

一次反応の半減期は t = ln 2 ÷ k で表される。速度定数が k = 0.0231 /s のとき、半減期は何秒か。ln 2 = 0.693 とし、整数で答えよ。

答えを見る

答え30秒

0.693 ÷ 0.0231。

✅ この単元のまとめ

  • 反応速度 v = k[A]ᵐ[B]ⁿ(k:速度定数、m, n:実験から決定)
  • 速度定数 k は温度に依存(高温 → k 大 → 速い)が、濃度には依存しない
  • 一次反応:[A]=[A]₀e^(−kt)。半減期t₁/₂=ln2/kは初濃度に依らず一定
  • アレニウス式:k = Ae^(−Ea/RT)(ln kと1/Tの傾きから実験的にEaを求められる)
  • 活性化エネルギー Ea:反応が起こるために必要なエネルギーの壁
  • 触媒:Ea を下げ速度を増大させる(ΔH・平衡定数は変わらない)

🔬

理科専門塾 Chem Atlas Academy

調べる力を、得点力に変える塾。
中学・高校・高専生のための、完全オンライン理科専門塾。
授業はせず、月4回のオンライン解説で伴走します。

理科専門塾 Chem Atlas Academyはこちら

💡 内容の誤りやご意見はお気軽にどうぞ。

✉️ お問い合わせはこちら