高校化学 Unit 07

電気分解

電気を流して化学反応を起こすとどうなる?ファラデーの法則で析出量を計算し、工業プロセスも理解しよう。

⚡ 電極反応📐 ファラデーの法則🏭 電解精錬
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電極反応とファラデーの法則

アクセサリーの「金メッキ」は、安い金属の表面に電気の力で金の薄い膜を貼り付けたもの。これは電池の逆の発想で、外部から電気を無理やり流し込むことで、本来自然には起きにくい反応(金属の析出など)を人工的に起こしている。これを電気分解という。

水に電極を入れて電気を流すと、片方の電極から水素の泡、もう片方から酸素の泡が発生する(水の電気分解)。流す電気の量を増やせば増やすほど、発生する気体や析出する金属の量も増える、という比例関係がある。

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電解精錬と工業電解

銅鉱石を製錬して得られる銅(粗銅、純度約99%)には不純物が混ざっており、電気を通す性能があまり良くない。そこで電気分解の仕組みを使って不純物を取り除き、純度99.99%以上の高純度な銅を作る工業プロセスが行われている。私たちが使う電線の銅は、ほぼすべてこの方法で作られている。

また、アルミサッシや飲料缶に使われるアルミニウムも、もとは電気分解によって鉱石(ボーキサイト)から作られる。アルミニウムの精錬には大量の電気が必要なため、「電気の缶詰」とよばれることもある。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ 電気量

2.0 A の電流を 100 秒間流した。流れた電気量は何Cか。

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答え200 C

電気量[C] = 電流[A] × 時間[s]。

問2 ★ 電子の物質量

9650 C の電気量は、電子何molに相当するか。ファラデー定数は 96500 C/mol とし、有効数字2桁で答えよ。

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答え0.10 mol

電子の物質量 = 電気量 ÷ ファラデー定数。

問3 ★★ 電解精錬

銅の電解精錬で、陽極に使うのはどちらか。

  • ア粗銅
  • イ純銅
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答えア

陽極の粗銅がとけ出し、陰極に純粋な銅が析出する。

問4 ★★ 金属の析出量

硫酸銅(II)水溶液を、0.50 A の電流で 7720 秒間電気分解した。陰極に析出する銅は何gか。ファラデー定数は 96500 C/mol、銅の原子量は64とする。有効数字3桁で答えよ。

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答え1.28 g

電子は 0.040 mol。Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu より、銅は 0.020 mol。

問5 ★★★ 気体の発生量

希硫酸を、2.0 A の電流で 9650 秒間電気分解した。陰極で発生する水素は、標準状態で何Lか。ファラデー定数は 96500 C/mol とする。標準状態の気体のモル体積は 22.4 L/mol とする。有効数字3桁で答えよ。

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答え2.24 L

電子は 0.20 mol。2H⁺ + 2e⁻ → H₂ より、水素は 0.10 mol。

問6 ★★★ 気体の発生量

塩化銅(II)水溶液を、5.0 A の電流で 1930 秒間電気分解した。陽極で発生する塩素は、標準状態で何Lか。ファラデー定数は 96500 C/mol とする。標準状態の気体のモル体積は 22.4 L/mol とする。有効数字3桁で答えよ。

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答え1.12 L

電子は 0.10 mol。2Cl⁻ → Cl₂ + 2e⁻ より、塩素は 0.050 mol。

✅ この単元のまとめ

  • 電気分解:外部電源で強制的に酸化還元反応を起こす(電池とは逆)
  • 陽極:酸化反応(e⁻ を放出);陰極:還元反応(e⁻ を受け取る)
  • ファラデーの法則:Q = It, n(e⁻) = Q/F, F ≈ 96500 C/mol(精密値96485)
  • 電解精錬:粗銅(陽極)→ Cu²⁺ → 純銅(陰極)に析出。Au, Ag は陽極泥へ
  • イオン交換膜法:NaCl 電解で Cl₂, H₂, NaOH を製造(食品・医薬品用途)
  • Al 製錬(ホール・エルー法):氷晶石に溶かしたAl₂O₃を溶融塩電解(水溶液では Al を得られない)

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