高校化学
Unit 07
電気分解
電気を流して化学反応を起こすとどうなる?ファラデーの法則で析出量を計算し、工業プロセスも理解しよう。
⚡ 電極反応📐 ファラデーの法則🏭 電解精錬
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電極反応とファラデーの法則
電気分解は外部電源で電流を流して酸化還元反応を起こす操作。電源の陽極側につないだ電極(陽極)で酸化、陰極側(陰極)で還元が起こる。流した電気量と析出・発生する物質量の関係をファラデーの法則で計算する。
⚡ 代表的な電気分解の電極反応
| 電解液 | 陰極(還元) | 陽極(酸化) |
|---|---|---|
| 希硫酸 | 2H⁺ + 2e⁻ → H₂↑ | H₂O → ½O₂↑ + 2H⁺ + 2e⁻ |
| 塩化銅(II)水溶液 | Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu(析出) | 2Cl⁻ → Cl₂↑ + 2e⁻ |
| 塩化ナトリウム水溶液 | 2H₂O + 2e⁻ → H₂↑ + 2OH⁻ | 2Cl⁻ → Cl₂↑ + 2e⁻ |
| 硫酸銅(II)水溶液 | Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu(析出) | H₂O → ½O₂↑ + 2H⁺ + 2e⁻(Pt極) |
📐 ファラデーの法則と計算式
- ファラデー定数 F = 96500 C/mol(電子 1 mol あたりの電気量)
- 流した電気量:Q [C] = I [A] × t [s]
- 移動した電子の物質量:n(e⁻) = Q / F = I×t / 96500 [mol]
- 析出量:n(物質) = n(e⁻) / (1 mol あたりの電子数)
例:2 A の電流を 965 s 流したとき、陰極に析出する Cu の質量
→ Q = 2×965 = 1930 C → n(e⁻) = 1930/96500 = 0.02 mol → n(Cu) = 0.01 mol → m = 0.01×64 = 0.64 g
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電解精錬と工業電解
電解精錬は粗銅(不純物を含む銅)を精製して純銅を得る工業プロセス。陽極に粗銅・陰極に純銅板を使い、CuSO₄ 水溶液を電解液として電気分解する。不純物の Au や Ag は陽極泥として沈積する。
🏭 電解精錬のしくみ
| 電極 | 反応 | ポイント |
|---|---|---|
| 陽極(粗銅) | Cu → Cu²⁺ + 2e⁻ 不純物も溶ける | 不純物のうちイオン化傾向の低い Au, Ag は溶けず陽極泥に残る |
| 陰極(純銅) | Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu 析出 | Cu²⁺のみが選択的に析出するため高純度(99.99%)になる |
🏗️ 主な工業電解プロセス
| プロセス | 原料 | 目的・主な生成物 |
|---|---|---|
| 食塩水の電気分解(イオン交換膜法) | NaCl 水溶液 | Cl₂(陽極)・H₂(陰極)・NaOH(陰極室)の製造 |
| アルミニウムの製錬(溶融塩電解) | Al₂O₃(アルミナ) | Al の製造(水溶液では不可、融解塩を電解) |
| 電気メッキ | 金属イオン含む電解液 | 製品表面に金属薄膜を形成(装飾・腐食防止) |
✅ この単元のまとめ
- 電気分解:外部電源で強制的に酸化還元反応を起こす(電池とは逆)
- 陽極:酸化反応(e⁻ を放出);陰極:還元反応(e⁻ を受け取る)
- ファラデーの法則:Q = It, n(e⁻) = Q/F, F = 96500 C/mol
- 電解精錬:粗銅(陽極)→ Cu²⁺ → 純銅(陰極)に析出。Au, Ag は陽極泥へ
- イオン交換膜法:NaCl 電解で Cl₂, H₂, NaOH を製造(食品・医薬品用途)
- Al 製錬:溶融 Al₂O₃ を電解(水溶液では Al を得られない)
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