高校化学
Unit 05
反応エンタルピーとヘスの法則
化学反応で出入りする熱を正確に計算するには?エンタルピーとヘスの法則で経路に依らない計算を身につけよう。
🔥 反応エンタルピー⚖️ ヘスの法則📊 エネルギー図
1
反応エンタルピーの種類
化学反応にともなう熱の出入りを反応エンタルピー ΔH で表す。発熱反応では ΔH < 0、吸熱反応では ΔH > 0。反応エンタルピーには生成・燃焼・中和・溶解など種類があり、それぞれ基準条件(25°C, 1 atm)での値が定義されている。
🔥 主な反応エンタルピーの定義
| 種類 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 生成エンタルピー | 単体から1 molの化合物を生成するときのΔH | H₂(g) + ½O₂(g) → H₂O(l) ΔH = −286 kJ |
| 燃焼エンタルピー | 1 molの物質が完全燃焼するときのΔH(常に負) | C(s) + O₂(g) → CO₂(g) ΔH = −394 kJ |
| 中和エンタルピー | 酸と塩基の中和で水1 molが生成するときのΔH | H⁺(aq) + OH⁻(aq) → H₂O(l) ΔH ≈ −57 kJ |
| 溶解エンタルピー | 1 molの物質が溶媒に溶けるときのΔH | NH₄NO₃(s) → NH₄⁺(aq) + NO₃⁻(aq) ΔH = +25 kJ(吸熱) |
| 結合エンタルピー | 気体分子の共有結合1 molを切断するときのΔH(常に正) | H₂(g) → 2H(g) ΔH = +436 kJ |
2
ヘスの法則とエネルギー図
ヘスの法則(総熱量保存の法則):反応の経路に関わらず、反応前後の状態が同じなら ΔH の総和は一定。これを使うと、直接測定できない反応のΔHを間接的に求めることができる。
図2:ヘスの法則の例。C → CO₂ の ΔH は、C → CO → CO₂ の2段階の ΔH の和に等しい。
📐 ヘスの法則を使った計算のコツ
- 求めたい反応式を「ターゲット」とし、与えられた反応式を足し引きして組み合わせる
- 反応式を逆にすると ΔH の符号が逆転する
- 反応式を c 倍すると ΔH も c 倍になる
- すべての成分(左辺・右辺)が正しく消去されているか確認する
✅ この単元のまとめ
- 反応エンタルピー ΔH:発熱 → ΔH < 0、吸熱 → ΔH > 0
- 生成エンタルピー:単体から1 molの化合物を生成するときのΔH
- 燃焼エンタルピー:1 molが完全燃焼するときのΔH(常に負)
- 結合エンタルピー:共有結合1 molを切断するためのΔH(常に正)
- ヘスの法則:反応経路に関わらずΔHの総和は一定
- 計算:式を逆転(ΔH 符号反転)・倍加(ΔH 倍加)して目的反応式を作る
💡 内容の誤りやご意見はお気軽にどうぞ。
✉️ お問い合わせはこちら