高校化学 Unit 24

合成高分子①

ポリエチレンからナイロンまで——モノマーの種類と重合方法の組み合わせで、全く異なる素材が生まれる。合成高分子の世界を整理しよう。

🔗 付加重合🧵 縮合重合👗 合成繊維・ゴム
1

付加重合による合成高分子

レジ袋、ペットボトルのキャップ、消しゴム、フライパンのコーティング——身のまわりのプラスチック製品の多くは、エチレンのような小さな分子(モノマー)が鎖のようにどんどんつながって作られている。この「二重結合が次々と開いてつながっていく」重合方法を「付加重合」という。

使うモノマーの種類を変えるだけで、透明で柔らかいポリエチレンにも、硬くて薬品に強いポリ塩化ビニルにも、発泡させて緩衝材になるポリスチレンにもなる。

2

合成ゴム(ジエン系付加重合)

タイヤや消しゴムのゴムは、なぜ引っ張ると伸びて、離すと元に戻るのか。実は、天然ゴムも合成ゴムも、細長い分子がぐにゃぐにゃに絡み合った構造をしており、引っ張ると絡まりがほどけて伸び、離すと絡まりが元に戻る性質(弾性)を持っている。

合成ゴムは、天然ゴムの主成分イソプレンに似た構造をもつ分子(ジエン)を人工的に付加重合させて作られる。

3

縮合重合とナイロン・ポリエステル

ストッキングや釣り糸に使われるナイロンや、ペットボトルの原料になるポリエステルは、付加重合とは違う方法で作られる。分子の両端にある「手」(官能基)どうしが握手するたびに、小さな水分子(H₂O)が1個ずつ抜け出しながら鎖がつながっていく——この重合方法を「縮合重合」という。

ナイロンは1935年にアメリカで発明され、「クモの糸より細く、鋼鉄より強い」と評された、世界初の完全合成繊維である。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ 付加重合

C=C 結合をもつ単量体(モノマー)が、二重結合を開きながら次々につながる重合を何というか。

答えを見る

答え付加重合

ポリエチレンやポリ塩化ビニルは、付加重合でつくられる。

問2 ★ 単量体

ポリ塩化ビニルの単量体(モノマー)はどれか。

  • アCH₂=CH₂
  • イCH₂=CHCl
  • ウCH₂=CHCH₃
答えを見る

答えイ

塩化ビニル CH₂=CHCl。

問3 ★★ 加硫

生ゴムに硫黄を加えて加熱し、分子どうしを硫黄原子で橋かけ(架橋)する操作を何というか。

答えを見る

答え加硫

弾性・強度・耐久性が大きくなる。

問4 ★★ 縮合重合体の結合

ナイロン66の分子の中で、くり返し単位どうしをつないでいる結合はどれか。

  • アアミド結合
  • イエステル結合
  • ウエーテル結合
答えを見る

答えア

ヘキサメチレンジアミンの −NH₂ とアジピン酸の −COOH が縮合する。

問5 ★★ 高分子の分子量

塩化ビニル(分子量62.5)が2000個付加重合してできたポリ塩化ビニルの分子量はいくつか。

答えを見る

答え125000

62.5 × 2000。

問6 ★★★ くり返し単位の式量

ナイロン66は、ヘキサメチレンジアミン(分子量116)とアジピン酸(分子量146)が、1分子ずつ結合するたびに水(分子量18)が2分子とれる形でつながっている。ナイロン66のくり返し単位の式量はいくつか。

答えを見る

答え226

116 + 146 − 18 × 2。

✅ この単元のまとめ

  • 付加重合:不飽和モノマー(C=C) → 鎖状ポリマー(PE, PP, PVC, PS, PMMA, PTFE など);小分子は生成しない
  • 合成ゴム:イソプレン・ブタジエン系のジエンを付加重合(BR, SBR, CRなど);加硫で架橋して弾性向上
  • 縮合重合:2官能基モノマーが脱水縮合を繰り返す → ナイロン・PET など;H₂Oが抜ける分、分子量計算に注意
  • ナイロン66:ヘキサメチレンジアミン + アジピン酸 → アミド結合(−CO−NH−)の繰り返し
  • ナイロン6:ε-カプロラクタムの開環重合 → ナイロン66と同じアミド結合構造
  • PET:エチレングリコール + テレフタル酸 → エステル結合(−COO−)の繰り返し(ポリエステル)

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