高校化学 Unit 25

合成高分子②

加熱で溶けるプラスチックと溶けないプラスチックの違いは?機能性高分子や環境問題まで、合成高分子の全体を俯瞰しよう。

♻️ 熱可塑性・熱硬化性💧 機能性高分子🌱 環境問題
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熱可塑性・熱硬化性プラスチック

ペットボトルは加熱すると柔らかくなって形を変えられるが、電気のコンセントのプラスチック部分はどれだけ加熱しても溶けて液体になることはなく、逆に焦げてしまう。この違いは、プラスチックの内部の分子が「鎖状につながっているだけ」か「網の目のようにガッチリ結びついているか」の違いから生まれる。

前者を「熱可塑性プラスチック」、後者を「熱硬化性プラスチック」という。

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機能性高分子

紙おむつが自分の重さの何百倍もの尿を吸収できる秘密や、温泉地の硬水を軟水に変える技術には、どちらも「機能性高分子」と呼ばれる特殊な高分子が使われている。ただの容器や繊維としてではなく、水を吸う・イオンを交換するといった特別な働きをする高分子である。

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生分解性プラスチックと高分子の環境問題

便利なプラスチックだが、自然界ではほとんど分解されずに数百年も残り続けるという問題がある。海に流れ出たプラスチックごみが波や紫外線で細かく砕けた「マイクロプラスチック」は、魚や海鳥の体内に取り込まれ、生態系への影響が世界的な問題になっている。

この問題を解決する材料として注目されているのが、微生物によって自然に分解される「生分解性プラスチック」である。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ プラスチックの分類

加熱するとやわらかくなり、冷やすと再びかたくなるプラスチックを、何プラスチック(樹脂)というか。

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答え熱可塑性プラスチック

ポリエチレンや PET など。鎖状の構造をもつ。

問2 ★ 熱硬化性樹脂

次のうち、熱硬化性樹脂はどれか。

  • アポリエチレン
  • イポリエチレンテレフタラート(PET)
  • ウフェノール樹脂
  • エポリスチレン
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答えウ

フェノール樹脂・尿素樹脂・メラミン樹脂などは熱硬化性。

問3 ★★ 熱硬化性樹脂の構造

熱硬化性樹脂の分子の構造はどちらか。

  • ア三次元の網目構造
  • イ鎖状(線状)の構造
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答えア

網目構造のため、加熱してもやわらかくならない。

問4 ★★ 機能性高分子

紙おむつなどに使われる、ポリアクリル酸ナトリウムのように多量の水を吸収する高分子を何というか。

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答え高吸水性樹脂(高吸水性高分子)

自分の質量の数百〜数千倍の水を吸収する。

問5 ★★ イオン交換樹脂

陽イオン交換樹脂(−SO₃H をもつ)に塩化ナトリウム水溶液を通した。流れ出た水溶液にふくまれる陽イオンは、おもにどれか。

  • アNa⁺
  • イH⁺
  • ウK⁺
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答えイ

樹脂の H⁺ と、水溶液の Na⁺ が交換される。

問6 ★★★ イオン交換の量的関係

十分な量の陽イオン交換樹脂(−SO₃H をもつ)に、0.10 mol/L の塩化ナトリウム水溶液 100 mL を通して、Na⁺ をすべて H⁺ と交換した。流れ出た水溶液にふくまれる H⁺ は何molか。有効数字2桁で答えよ。

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答え0.010 mol

Na⁺ と同じ物質量の H⁺ が出てくる。0.10 × 0.100。

✅ この単元のまとめ

  • 熱可塑性:加熱で溶ける(線状・枝分かれ構造)→ リサイクル可。PE, PP, PVC, PET
  • 熱硬化性:加熱しても硬化したまま(三次元網目構造)→ リサイクル困難。フェノール・尿素・メラミン・エポキシ樹脂
  • フェノール樹脂:フェノール + ホルムアルデヒドの付加縮合;世界最初の合成樹脂(ベークライト)
  • イオン交換樹脂:−SO₃H(陽イオン交換)・−N(CH₃)₃⁺OH⁻(陰イオン交換);イオンを「交換」する
  • 高吸水性樹脂(ポリアクリル酸Na):浸透圧で自重の数百〜数千倍の水を吸収
  • 導電性高分子(ポリアセチレンなど):共役π電子系で電気を通す;白川博士のノーベル賞
  • 生分解性プラスチック(PLAなど):エステル結合が微生物に分解される;マイクロプラスチック問題への対応策

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