高校化学 Unit 21

芳香族化合物

ベンゼン環の安定性はなぜ特別?置換反応・フェノールの弱酸性・アニリンのアゾ化まで実際の構造式で芳香族の世界に入ろう。

⬡ ベンゼン🧪 フェノール🎨 アニリン
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ベンゼンと芳香族炭化水素

これまで学んできた鎖状の炭化水素とは違い、正六角形の環状構造を持つ特別な分子がベンゼンだ。プラスチックのペットボトル、医薬品、防虫剤(ナフタリン)など、身の回りの多くの製品はこのベンゼン環を骨格に持つ「芳香族化合物」から作られている。

ベンゼン環はとても安定な構造をしているため、アルケンのように二重結合の部分に他の原子がくっつく「付加反応」ではなく、環の水素が他の原子と入れ替わる「置換反応」の方が起こりやすいという特徴がある。

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フェノールとアニリン

消毒薬として昔から使われてきたフェノール(石炭酸)は、ベンゼン環にヒドロキシ基(−OH)がついた化合物。アルコールと同じ−OHを持つが、ベンゼン環がついているだけで、アルコールよりも酸性が強くなる(弱い酸として働く)という違った性質を示す。

一方、アニリンはベンゼン環にアミノ基(−NH₂)がついた化合物で、水に溶けると弱い塩基性を示す。染料の合成に使われる出発物質としても重要である。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ 分子量

ベンゼン C₆H₆ の分子量はいくつか。原子量は H = 1.0、C = 12 とする。

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答え78

12 × 6 + 1.0 × 6。

問2 ★ ベンゼンの反応

ベンゼンで起こりやすい反応は、付加反応と置換反応のどちらか。

  • ア付加反応
  • イ置換反応
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答えイ

ベンゼン環は安定なので、環を保ったまま水素原子が置き換わる。

問3 ★★ ニトロ化

ベンゼンに混酸(濃硝酸と濃硫酸の混合物)を作用させると生じる化合物は何か。物質名で答えよ。

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答えニトロベンゼン

ベンゼンの H が −NO₂ に置き換わる(ニトロ化)。

問4 ★★ フェノールの検出

次の化合物のうち、塩化鉄(III)水溶液を加えると紫色になるものはどれか。

  • アフェノール
  • イアニリン
  • ウベンゼン
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答えア

フェノール類は、塩化鉄(III)水溶液で紫色になる。

問5 ★★ アニリンの性質

アニリンの水溶液は、弱酸性と弱塩基性のどちらを示すか。

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答え弱塩基性

アミノ基 −NH₂ をもつため。フェノールは弱酸性。

問6 ★★★ ニトロ化の量的関係

ベンゼン 39 g をすべてニトロベンゼンにした。得られるニトロベンゼンは何gか。分子量はベンゼンが78、ニトロベンゼンが123とする。有効数字3桁で答えよ。

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答え61.5 g

ベンゼン 0.50 mol からニトロベンゼン 0.50 mol ができる。0.50 × 123。

✅ この単元のまとめ

  • ベンゼン:共鳴安定化した平面六角形;置換反応が優先(付加反応は起こりにくい)
  • ニトロ化:混酸(HNO₃+H₂SO₄)→ ニトロベンゼン
  • フェノール:弱酸性(炭酸より弱い)、FeCl₃で紫色呈色;NaOH に溶ける(塩形成)
  • アニリン:弱塩基性(アンモニアより弱い);さらし粉(Ca(ClO)Cl)で赤紫色
  • ジアゾ化:アニリン + HNO₂(5°C以下)→ ジアゾニウム塩 → アゾ染料

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