高校化学 Unit 14

遷移金属と工業的製法

鉄・銅・マンガン…遷移金属はなぜ色が多彩で触媒として優秀なの?錯イオンと工業プロセスで全体像を把握しよう。

🔩 遷移金属🏭 製鉄・高炉🧪 錯イオン
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遷移金属の性質と主な元素

遷移金属(3〜12族)は d 軌道に電子が入る金属群。複数の酸化数をとりやすく、有色のイオンや錯イオンを形成し、触媒として活躍する元素が多い。Fe, Cu, Zn, Cr, Mn, Ag, Au など身近な金属が並ぶ。

🔩 主な遷移金属の性質

元素代表イオン・酸化数イオンの色特徴・用途
Fe(鉄)Fe²⁺, Fe³⁺淡緑色・黄褐色製鉄(高炉)・ステンレス・磁性材料
Cu(銅)Cu²⁺(+2)青色電線・電気メッキ・黄銅(Cu-Zn)・青銅(Cu-Sn)
Zn(亜鉛)Zn²⁺(+2)無色めっき(トタン)・マンガン電池・両性金属
Ag(銀)Ag⁺(+1)無色写真(AgBr の感光性)・鏡・殺菌
Cr(クロム)Cr³⁺, Cr₂O₇²⁻(+6)緑・橙赤色ステンレス(Fe-Ni-Cr)・メッキ・酸化剤
Mn(マンガン)Mn²⁺ 〜 Mn⁷⁺(多様)淡ピンク〜紫MnO₂(乾電池)・KMnO₄(酸化剤)

🏭 製鉄(高炉)のプロセス

工程反応
コークスの燃焼C + O₂ → CO₂ → 2CO(C + CO₂ → 2CO)
鉄鉱石の還元Fe₂O₃ + 3CO → 2Fe + 3CO₂
銑鉄から鋼へ銑鉄(C 3〜4%)を転炉で精錬 → 鋼(C 0.1〜1.7%)
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錯イオンと錯塩

錯イオンは金属イオンに配位子(孤立電子対をもつ分子・イオン)が配位結合した複合イオン。配位子の数(配位数)と形(正四面体・正八面体など)が重要。命名は「配位子名 + 金属名 + 酸(または酸塩の場合)」。

🧪 代表的な錯イオン

錯イオン式名称配位子
[Cu(NH₃)₄]²⁺テトラアンミン銅(II)イオンNH₃(アンミン)× 4深青色
[Ag(NH₃)₂]⁺ジアンミン銀(I)イオンNH₃ × 2無色
[Fe(CN)₆]³⁻ヘキサシアニド鉄(III)酸イオンCN⁻(シアニド)× 6黄色
[Zn(OH)₄]²⁻テトラヒドロキシド亜鉛(II)酸イオンOH⁻ × 4無色
[Ag(S₂O₃)₂]³⁻ジチオスルファト銀(I)酸イオンS₂O₃²⁻ × 2無色

✅ この単元のまとめ

  • 遷移金属:複数の酸化数・有色イオン・錯イオン形成・触媒作用
  • Fe²⁺:淡緑色;Fe³⁺:黄褐色;Cu²⁺:青色;Ag⁺:無色
  • 製鉄:高炉で Fe₂O₃ を CO で還元 → 銑鉄 → 転炉で鋼
  • 銅の精錬:電解精錬(粗銅→純銅)
  • 錯イオン:金属イオン + 配位子(NH₃, CN⁻, OH⁻, Cl⁻ など)
  • [Cu(NH₃)₄]²⁺ 深青;[Ag(NH₃)₂]⁺ 銀イオンの溶解;[Zn(OH)₄]²⁻ 過剰 NaOH で Zn 溶解

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