高校化学 Unit 14

遷移金属と工業的製法

鉄・銅・マンガン…遷移金属はなぜ色が多彩で触媒として優秀なの?錯イオンと工業プロセスで全体像を把握しよう。

🔩 遷移金属🏭 製鉄・高炉🧪 錯イオン
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遷移金属の性質と主な元素

10円玉(銅)は赤みがかった色、5円玉の一部に使われる真鍮(銅と亜鉛の合金)は金色、鉄は銀白色…と、金属によって色が違うのは見た目からも分かりやすい。それだけでなく、金属が水に溶けてイオンになったときにも、鮮やかな色がつくことが多い。例えば銅イオン(Cu²⁺)を含む水溶液は青色をしている。

このように色鮮やかなイオンを作ったり、化学反応を助ける触媒として活躍したりする金属の多くは、周期表の中央あたり(遷移金属)に集まっている。鉄・銅・亜鉛・銀・クロム・マンガンなど、身の回りでもよく使われる金属ばかりである。

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錯イオンと錯塩

青色の硫酸銅水溶液にアンモニア水を加えていくと、最初は青白い沈殿ができるが、さらにアンモニアを加えると沈殿が溶けて、今度は美しい深い青色の溶液に変わる。これは銅イオンにアンモニア分子がくっついて、新しい「複合イオン」ができたためだ。このような、金属イオンに他の分子・イオンがくっついてできる複合イオンを錯イオンという。

水に溶けない塩化銀 AgCl が、アンモニア水には [Ag(NH₃)₂]⁺ となって溶けるのも、銀イオンが錯イオンを作って水に溶けやすくなる性質によるものだ。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ 金属イオンの色

銅(II)イオン Cu²⁺ をふくむ水溶液の色はどれか。

  • ア無色
  • イ青色
  • ウ黄褐色
  • エ緑色
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答えイ

Fe²⁺ は淡緑色、Fe³⁺ は黄褐色、Zn²⁺ と Ag⁺ は無色。

問2 ★ 錯イオン

金属イオンに、分子やイオン(配位子)が配位結合してできたイオンを何というか。

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答え錯イオン

[Cu(NH₃)₄]²⁺ や [Ag(NH₃)₂]⁺ などがある。

問3 ★★ 配位数

錯イオン [Cu(NH₃)₄]²⁺ の配位数はいくつか。

答えを見る

答え4

配位数は、金属イオンに結合している配位子の数。

問4 ★★ 錯イオンの形

錯イオン [Ag(NH₃)₂]⁺ の形はどれか。

  • ア直線形
  • イ正四面体形
  • ウ正八面体形
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答えア

配位数2の錯イオンは直線形。

問5 ★★ 製鉄の量的関係

Fe₂O₃ + 3CO → 2Fe + 3CO₂ の反応で、酸化鉄(III) Fe₂O₃ 160 g から得られる鉄は何gか。Fe₂O₃ の式量は160、鉄の原子量は56とする。

答えを見る

答え112 g

Fe₂O₃ 1 mol から Fe が 2 mol できる。2 × 56。

問6 ★★★ 錯イオン中の金属の酸化数

錯イオン [Fe(CN)₆]³⁻ にふくまれる鉄の酸化数はいくつか。配位子は CN⁻ である。

答えを見る

答え+3

Fe + (−1) × 6 = −3。

✅ この単元のまとめ

  • 遷移金属:複数の酸化数・有色イオン・錯イオン形成・触媒作用
  • Fe²⁺:淡緑色;Fe³⁺:黄褐色;Cu²⁺:青色;Ag⁺:無色
  • 製鉄:高炉で Fe₂O₃ を CO で還元 → 銑鉄 → 転炉で鋼
  • 銅の精錬:電解精錬(粗銅→純銅)
  • 錯イオン:金属イオン + 配位子(NH₃, CN⁻, OH⁻, Cl⁻ など)が配位結合
  • [Cu(NH₃)₄]²⁺ 深青;[Ag(NH₃)₂]⁺ 銀イオンの溶解;[Zn(OH)₄]²⁻ 過剰 NaOH で Zn 溶解

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