高校化学 Unit 12

窒素・リン・炭素・ケイ素

空気から肥料を作るハーバー・ボッシュ法、ガラスの主成分SiO₂…14・15族元素の産業的重要性を実際の構造データとともに学ぼう。

🏭 NH₃ 合成⚗️ HNO₃ 製造💡 Si・SiO₂

🖱️ この単元の分子・結晶図はすべてPubChemとCrystallography Open Database(COD)の実データを3Dmol.jsで描画したものです。

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窒素・リン(15族)の性質と反応

私たちが吸っている空気の約8割は窒素だが、窒素分子(N₂)はとても安定していて、そのままでは植物の栄養にならない。そこで100年ほど前、空気中の窒素と水素からアンモニア(肥料の原料)を人工的に作る技術(ハーバー・ボッシュ法)が発明され、これにより世界の食料生産量が飛躍的に増えたと言われている。

もう一つの15族元素であるリンも、DNAや骨、そして肥料に欠かせない元素。マッチの発火剤としても使われている(赤リン)。

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炭素・ケイ素(14族)の性質

ガラスのコップや窓ガラスの主成分は二酸化ケイ素(SiO₂)。砂浜の砂もほとんどがSiO₂でできている。SiO₂はダイヤモンドと同じように原子どうしが共有結合で網目状に結びついた、非常に硬く融点の高い物質である。

また、ケイ素(Si)はパソコンやスマートフォンの頭脳であるCPU、太陽光パネルに使われる半導体材料としても欠かせない。高純度に精製したケイ素の結晶に、ごくわずかな不純物を加えることで電気的な性質を制御している。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ アンモニアの工業的製法

窒素と水素からアンモニアを合成する工業的製法を何というか。

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答えハーバー・ボッシュ法

鉄を主成分とする触媒を使い、高温・高圧で反応させる。

問2 ★ 硝酸の工業的製法

アンモニアを原料にして硝酸をつくる工業的製法を何というか。

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答えオストワルト法

NH₃ → NO → NO₂ → HNO₃ の順に変化させる。

問3 ★★ アンモニア合成の量的関係

N₂ + 3H₂ → 2NH₃ の反応で、窒素 5.0 mol がすべて反応すると、アンモニアは何molできるか。

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答え10 mol

係数の比より N₂:NH₃ = 1:2。

問4 ★★ 二酸化ケイ素

二酸化ケイ素 SiO₂ をとかす酸はどれか。

  • ア塩酸
  • イ希硫酸
  • ウフッ化水素酸
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答えウ

SiO₂ + 6HF → H₂SiF₆ + 2H₂O。ガラスの容器には保存できない。

問5 ★★ 一酸化炭素

製鉄の高炉で、酸化鉄(III) Fe₂O₃ を還元して鉄にするはたらきをする気体は何か。物質名で答えよ。

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答え一酸化炭素

CO は、相手から酸素を奪う還元剤としてはたらく。

問6 ★★★ オストワルト法の量的関係

オストワルト法の最初の反応 4NH₃ + 5O₂ → 4NO + 6H₂O で、アンモニア 2.0 mol と過不足なく反応する酸素は何molか。

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答え2.5 mol

係数の比より NH₃:O₂ = 4:5。

✅ この単元のまとめ

  • ハーバー・ボッシュ法:N₂ + 3H₂ ⇌ 2NH₃(Fe触媒・高温高圧、速度と収率のバランスで条件決定)
  • オストワルト法:NH₃ → NO → NO₂ → HNO₃(Pt触媒)
  • 希硝酸 → NO;濃硝酸 → NO₂(還元剤との反応)
  • 不動態:Fe, Ni, Al が濃硝酸・濃硫酸で保護皮膜を形成
  • 王水(HCl:HNO₃ = 3:1):Au, Pt を溶解
  • SiO₂ は共有結合結晶でHFにのみ溶ける;CO は還元剤として製鉄に使用

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