高校化学 Unit 11

ハロゲン・酸素・硫黄

Cl₂ の臭い・Br₂ の赤褐色・I₂ の昇華性…ハロゲンと酸素族元素の個性と重要反応を実際の分子構造とともに整理しよう。

🟡 ハロゲン🔴 酸素・オゾン🏭 硫酸の製造

🖱️ この単元の分子図はすべてPubChemの実データを3Dmol.jsで描画したものです。ドラッグで回転、スクロールで拡大縮小できます。

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ハロゲン(17族)の性質と反応

プールの消毒に使われる塩素、うがい薬(イソジン)に含まれるヨウ素は、どちらも周期表の同じ縦の列(17族)に並ぶ「ハロゲン」という仲間の元素からできている。色も臭いも状態(気体・液体・固体)もバラバラだが、どれも「電子を1個受け取って安定になりたがる」という共通の性質を持つ。

ハロゲンは他の物質から電子を奪う力(酸化力)が強く、この力は周期表の上にある元素ほど強い。つまりF(フッ素)が最も強く、I(ヨウ素)が最も弱い。この力の差が、消毒・漂白といった実用的な使われ方の違いを生んでいる。

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酸素(16族)と硫黄の性質・反応

私たちが呼吸している酸素(O₂)と、上空のオゾン層を作るオゾン(O₃)は、同じ酸素原子だけでできているのに全く性質が違う(同素体)。オゾンは強い殺菌力・酸化力を持ち、独特の刺激臭がある。

硫黄は花火の材料やマッチにも使われる黄色い固体で、これも複数の同素体(斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄)を持つ。硫黄から作られる硫酸は「工業の母」と呼ばれるほど様々な製品作りに使われる重要な物質である。

🎯 練習問題

まず自分で解いてから、「答えを見る」を押して確かめよう。

問1 ★ ハロゲンの単体

ハロゲンの単体のうち、常温で液体のものはどれか。

  • アF₂
  • イCl₂
  • ウBr₂
  • エI₂
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答えウ

F₂ と Cl₂ は気体、Br₂ は液体、I₂ は固体。

問2 ★ ハロゲンの酸化力

ハロゲンの単体 F₂、Cl₂、Br₂、I₂ のうち、酸化力が最も強いものはどれか。化学式で答えよ。

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答えF₂

酸化力は F₂ > Cl₂ > Br₂ > I₂ の順。

問3 ★★ ハロゲンの反応

次の組み合わせのうち、混ぜると反応が起こるものはどれか。

  • アCl₂ と KBr 水溶液
  • イBr₂ と KCl 水溶液
  • ウI₂ と KBr 水溶液
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答えア

酸化力の強いハロゲンが、弱いハロゲンのイオンから電子を奪う。Cl₂ + 2KBr → 2KCl + Br₂。

問4 ★★ 接触法

硫酸の工業的製法(接触法)で、SO₂ を SO₃ に酸化するときに使う触媒は何か。化学式で答えよ。

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答えV₂O₅

酸化バナジウム(V)。

問5 ★★ 接触法の量的関係

接触法では、硫黄 S 1 mol から硫酸 H₂SO₄ 1 mol が得られる。硫黄 16 g から得られる硫酸は、最大で何gか。原子量は S = 32、硫酸の分子量は98とする。

答えを見る

答え49 g

硫黄 16 g は 0.50 mol。0.50 × 98。

問6 ★★★ 接触法の量的関係

2SO₂ + O₂ → 2SO₃ の反応で、SO₂ 0.50 mol をすべて SO₃ にするのに必要な O₂ は何molか。有効数字2桁で答えよ。

答えを見る

答え0.25 mol

係数の比より SO₂:O₂ = 2:1。

✅ この単元のまとめ

  • ハロゲン(F,Cl,Br,I):酸化力 F>Cl>Br>I;F₂ 最強の酸化剤
  • Cl₂ の製法:MnO₂ + 4HCl(濃) → MnCl₂ + Cl₂ + 2H₂O
  • 次亜塩素酸 HClO:Cl₂ を水に溶かして生成;漂白・殺菌作用
  • 硫黄の同素体:斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄(いずれもS₈またはSₙが基本単位)
  • 接触法:S → SO₂ → SO₃ → 発煙硫酸 → H₂SO₄
  • 濃硫酸:脱水性・吸湿性・酸化性(熱時);希釈は「水に酸を」

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