酸・アルカリと中和
レモンが酸っぱいのはなぜ?石けんがぬるぬるするのは?
酸・アルカリの正体とpH、そして中和の仕組みを学ぼう。
酸とアルカリ
レモン・お酢・胃液が酸っぱいのは「酸」の仲間だから。逆に石けん水や重曹水のようにぬるぬる・苦みを感じるものは「アルカリ」の仲間。この違いは、水に溶けたときに何のイオンが出てくるかで決まる。
水に溶けると水素イオン(H⁺)を生じるものを酸、 水酸化物イオン(OH⁻)を生じるものをアルカリという。
🔴 酸の性質と例
- 水溶液は酸性(pH < 7)
- 青色リトマス紙を赤に変える
- BTB溶液が黄色になる
- 金属と反応して水素 H₂ を発生させる
- 例:塩酸(HCl)・硫酸(H₂SO₄)・酢酸(CH₃COOH)
🔵 アルカリの性質と例
- 水溶液はアルカリ性(pH > 7)
- 赤色リトマス紙を青に変える
- BTB溶液が青色になる
- フェノールフタレインが赤色になる
- 例:水酸化ナトリウム(NaOH)・水酸化カリウム(KOH)・アンモニア水(NH₃ aq)
❌ よくある誤解
「酸性である」ことと「金属との反応の激しさ」は別軸で考える必要がある。酸の種類によって反応性が大きく異なる。
高校化学基礎では、酸・アルカリの定義がさらに一般化され、「アレニウスの定義(H⁺・OH⁻を生じる)」に加えて「ブレンステッド・ローリーの定義(H⁺を与えるか受け取るか)」を学ぶ。これにより、OH⁻を持たないアンモニア(NH₃)がなぜ塩基(アルカリ)としてはたらけるのかも説明できるようになる。化学基礎・単元9と関連
📖 化学基礎「酸・塩基の定義」を見てみるpH——酸性・アルカリ性の強さ
酸性・アルカリ性の「強さ」を表す物差しがpH。真ん中の7が中性、それより小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強いというルールになっている。
pH(ペーハー)は溶液の酸性・アルカリ性の強さを 0〜14 の数値で表す指標。 pH 7 が中性・7未満が酸性・7より大きいとアルカリ性。
図1:pHスケール。数字が小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強い。
🌈 指示薬の色の変化
| 指示薬 | 酸性 | 中性 | アルカリ性 |
|---|---|---|---|
| リトマス紙(青) | 赤に変わる | 変化なし(青) | 変化なし(青) |
| リトマス紙(赤) | 変化なし(赤) | 変化なし(赤) | 青に変わる |
| BTB溶液 | 黄色 | 緑色 | 青色 |
| フェノールフタレイン | 無色 | 無色 | 赤色 |
| pH試験紙 | 色で pH の数値を読み取る(万能指示薬) | ||
高校化学基礎では、pHが「水素イオン濃度[H⁺]の逆数の対数」として定義されることを学び、[H⁺]からpHを計算したり、逆にpHから[H⁺]を求めたりする計算問題を扱うようになる。水のイオン積[H⁺][OH⁻]=一定という関係も、この計算の土台になる。化学基礎・単元10と関連
📖 化学基礎「pH(水素イオン指数)」を見てみる中和と塩
胃薬は、胃の中の余分な酸を「中和」して弱める薬。酸とアルカリを混ぜると、お互いの性質を打ち消し合い、水と新しい物質(塩)ができる。この反応を中和という。
酸とアルカリを混ぜると、H⁺ と OH⁻ が結びついて水になる——これを中和という。 同時に、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついて塩(えん)ができる。
図2:HCl と NaOH の中和。H⁺ と OH⁻ が打ち消し合い、Na⁺ と Cl⁻ が食塩 NaCl を形成する。
🧂 塩(えん)の例
| 酸 | アルカリ | できる塩 | 塩の名前 |
|---|---|---|---|
| HCl(塩酸) | NaOH | NaCl | 塩化ナトリウム |
| H₂SO₄(硫酸) | NaOH | Na₂SO₄ | 硫酸ナトリウム |
| HNO₃(硝酸) | KOH | KNO₃ | 硝酸カリウム |
| H₂SO₄(硫酸) | Ca(OH)₂ | CaSO₄ | 硫酸カルシウム(石膏) |
❌ よくある誤解
「中和反応が起きている=ちょうど中性になる」ではない。中和反応は酸とアルカリを混ぜた瞬間から少しずつ進んでおり、ちょうど過不足なく反応しきった点だけがpH7(中性)になる。
高校化学基礎では、中和反応を「酸の物質量×価数 = アルカリの物質量×価数」という量的関係で計算する「中和滴定」を学ぶ。ビュレットやホールピペットを使った実験操作、滴定曲線の読み取りまで、中和を定量的に扱えるようになる。化学基礎・単元12と関連
📖 化学基礎「中和滴定の原理」を見てみる✅ この単元のまとめ
- 酸:H⁺ を生じる(HCl・H₂SO₄ など)、pH < 7
- アルカリ:OH⁻ を生じる(NaOH・KOH など)、pH > 7
- 中性:pH = 7(H⁺ と OH⁻ が同量)
- 指示薬:リトマス・BTB・フェノールフタレインで酸性/アルカリ性を判別
- 中和:H⁺ + OH⁻ → H₂O(酸とアルカリを打ち消し合う反応)
- 塩(えん):中和で H₂O と一緒に生成する物質(例:NaCl)
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