中学理科 / 化学分野 Unit 01

物質の性質と分類

ものの「正体」を見分けるには何を調べればいい?
密度・融点・沸点など、物質固有の性質を使った見分け方と、
物質の分類のしかたを学ぼう。

⚖️ 密度の求め方 🌡️ 融点・沸点 🔥 有機物と無機物 🔩 金属と非金属
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密度——物質の「重さの詰まり具合」

同じ大きさの箱に、木と鉄を詰めたとき、どちらが重い?当然、鉄のほうが重い。 これは「同じ体積でも質量が違う」から——その違いを数値で表したものが密度です。

FORMULA — 密度の公式 密度(g/cm³) = 質量(g) ÷ 体積(cm³) 体積の単位は cm³(=mL)を使う。1 cm³ = 1 mL
同じ体積でも、物質によって質量(重さ)が違う 木(松) 約 0.5 g/cm³ 🪶 水より軽い → 浮く 1.00 g/cm³ 🌊 基準(ちょうど 1) アルミニウム 2.70 g/cm³ (水の約 2.7 倍) ⚙️ 水より重い → 沈む

図1:同じ体積(例:100 cm³)の物質を比べた場合の密度の違い

📊 代表的な物質の密度(常温・常圧)

物質密度(g/cm³)常温での状態水との関係
木(松)約 0.5固体水に浮く
約 0.917固体水に浮く(特異)
1.00(4℃)液体基準
アルミニウム2.70固体水に沈む
7.87固体水に沈む
8.96固体水に沈む
11.3固体水に沈む
19.3固体水に沈む
🔑 POINT

密度が1.0 g/cm³(水の密度)より小さい固体は水に浮き、大きい固体は水に沈む。 氷が水に浮くのは、氷の密度(約0.917)が水より小さいから——身近で重要な例外。

🧮 密度の計算例

体積 40 cm³ の金属のかたまりを量ったら、質量が 108 g だった。この金属は何か?

密度 = 108 g ÷ 40 cm³ = 2.70 g/cm³

→ 表と照らし合わせると アルミニウム とわかる。このように、密度は物質を見分けるための重要な手がかりになる。

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融点・沸点——物質が変わる温度

融点とは固体が液体になる温度、沸点とは液体が気体(沸騰)になる温度のこと。 純物質はこの温度が決まっており、混合物は一定でない——この違いが物質の見分けに使える。

加熱曲線:純物質 vs 混合物 加熱時間 → 温度(℃)→ 融点 沸点 ← 融解中(温度一定) ← 沸騰中(温度一定) 純物質 混合物 純物質:融点・沸点が一定 混合物:温度が連続的に上昇

図2:純物質は融解・沸騰の間、温度が一定に保たれる(混合物は一定にならない)

🌡️ 代表的な物質の融点・沸点(1気圧)

物質融点(℃)沸点(℃)
水(H₂O)0100
エタノール(C₂H₅OH)−11578
食塩(NaCl)8011413
鉄(Fe)15382862
アルミニウム(Al)6602519
酸素(O₂)−219−183
窒素(N₂)−210−196
🔑 POINT

純物質の見分け方:加熱しながら温度を記録する。融解中・沸騰中に温度が変わらない(グラフが水平になる)なら純物質。
混合物は「融点が決まらない」「沸点に幅がある」ため、この方法で区別できる。

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有機物と無機物

物質は大きく有機物無機物に分けられる。 「燃やしたとき、二酸化炭素と水が出るかどうか」が一番かんたんな見分け方。

🌿 有機物(Organic compounds)

  • 炭素(C)を含む化合物(ただし CO₂・CO・炭酸塩など例外あり)
  • 燃焼すると必ず 二酸化炭素(CO₂)水(H₂O) が生じる
  • 例:砂糖・デンプン・エタノール・プラスチック(ポリエチレンなど)・木・食用油

⚗️ 無機物(Inorganic compounds)

  • 有機物以外の物質すべて
  • 燃やしても CO₂・H₂O は生じない(燃えないものも多い)
  • 例:食塩(NaCl)・鉄・アルミニウム・ガラス・水・塩酸・石灰石・二酸化炭素
有機物を燃焼させると… 砂糖など 有機物 🔥 加熱・燃焼 💨 二酸化炭素(CO₂) 石灰水が白く濁る 💧 水(H₂O) 塩化コバルト紙が変色 CO₂の確認:石灰水 → 白濁  H₂Oの確認:塩化コバルト紙 青→ピンク

図3:有機物を燃焼させると CO₂ と H₂O が生じる(燃焼実験)

⚠️ 注意:「炭素を含む → 有機物」と言われることがあるが、 二酸化炭素(CO₂)・一酸化炭素(CO)・炭酸カルシウム(CaCO₃)などは 炭素を含んでいても無機物に分類される。中学では「燃やして CO₂ と H₂O が出るかどうか」で判断するとよい。
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金属と非金属

物質(特に固体)を見たとき、「金属かどうか」を見分けるポイントは4つある。 金属は非金属と異なる独特の性質を持ち、その性質が工業・生活に生かされている。

金属に共通する4つの性質 ①金属光沢 表面が輝く (みがくと光る) ②電気を通す 電気の良導体 (銅・アルミが代表) 🌡️ ③熱を伝える 熱の良導体 (鍋・フライパン) 🔨 ④展性・延性 薄く延ばせる(展性) 細く延ばせる(延性)

図4:金属に共通する4つの性質(非金属はこれらの性質を持たない)

📋 金属と非金属の比較

性質金属(例:鉄・銅・Al)非金属(例:プラスチック・ガラス・木)
光沢✅ 金属光沢あり❌ 光沢なし(例外:黒鉛など)
電気✅ よく通す❌ 通さない(例外:黒鉛)
✅ よく伝わる❌ 伝わりにくい
加工✅ 延ばせる・曲げられる❌ もろいものが多い
密度大きいものが多い小さいものが多い
🔑 POINT

金属の見分けポイントは「光る・電気を通す・熱を通す・叩いて伸ばせる」の4つ。 試験では「電気を通す = 金属」と短絡しがちだが、黒鉛(鉛筆の芯の主成分)は非金属なのに電気を通すという重要な例外がある。

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物質の分類まとめ

物質の分類(中学レベルの整理) 物質(matter) 純物質(pure substance) 混合物(mixture) 単体 Fe, O₂, N₂ … 化合物 H₂O, NaCl, CO₂… 食塩水・空気・岩石など 有機物(炭素含む化合物)/ 無機物(それ以外)に分類 【補足】 金属:光沢・電気・熱・展性・延性 非金属:これらの性質を持たない (例外:黒鉛は電気を通す)

図5:物質の分類まとめ(純物質と混合物、単体と化合物、有機物と無機物)

✅ この単元のまとめ

  • 密度 = 質量 ÷ 体積(単位:g/cm³)で求め、水(1.0 g/cm³)と比べて浮く・沈むを判断できる
  • 純物質は融点・沸点が一定で、加熱曲線に水平部分(プラトー)が現れる
  • 混合物は融点・沸点が一定にならず、温度が連続的に変化する
  • 有機物 = 炭素を含む化合物(燃やすと CO₂・H₂O が生じる)
  • 無機物 = 有機物以外(CO₂・CO・炭酸塩など炭素含有でも無機物の例外あり)
  • 金属の4性質:金属光沢・電気伝導・熱伝導・展性と延性
  • 黒鉛は非金属だが電気を通す、という重要な例外を覚えておく

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