原子の地図帳 / 第5周期・遷移金属

テクネチウム(Technetium, Tc)

テクネチウムは原子番号43の遷移金属で、安定同位体を持たない最軽量の元素です。1937年に初めて人工合成された元素で、医療用放射性同位体として核医学診断に広く使われます。

43 常温: 固体
Tc
Technetium
原子量: 97(²⁷Tc)

基本データ

原子番号
43
元素記号
Tc
元素名(日本語)
テクネチウム
元素名(英語)
Technetium
分類
遷移金属
周期 / 族
第5周期 / 7族
標準状態
固体
標準原子量
97(²⁷Tc)
電子配置
[Kr] 4d5 5s2
電気陰性度(Pauling)
1.90
主な酸化数
+7, +4

注: 物性値は温度・圧力・同位体組成などにより変化します。代表的な学習用の値を掲載しています。

電子配置(ボーアモデル)

K L M 18e⁻ N O Tc

電子配置式

[Kr] 4d5 5s2

電子殻電子数
K(2e⁻まで)2個
L(6e⁻まで)8個
M(10e⁻まで)18個
N(14e⁻まで)13個
O(18e⁻まで)2個

概要

テクネチウムは天然にはほとんど存在しない放射性元素で、人類が初めて人工的に作り出した元素として化学史に重要な位置を占めます。原子炉での核分裂によって生成されます。

発見の歴史

1937年、イタリアのカルロ・ペリエとエミリオ・セグレがモリブデン箔に重粒子線を照射して発見しました。初めて人工的に合成された元素であることから、ギリシャ語で「人工の」を意味する「technetos」にちなんで命名されました。

主な用途・特徴

  • 核医学診断(⁹⁹ᵐTc:骨・臓器スキャン)
  • 放射性廃棄物研究
  • 金属腐食防止剤(研究用途)

半減期が短く扱いやすい同位体⁹⁹ᵉTcは、骨や心臓、脳などの核医学検査(シンチグラフィー)で世界中の病院で日常的に使われています。

安全性・取扱い

放射性元素ですが、医療で使う同位体は半減期が短く速やかに体外へ排出されるよう設計されており、医師の管理下で安全に使用されています。

学習のポイント

人類が初めて人工的に作り出した元素として、「天然に存在しない元素」という概念を学ぶ出発点になります。

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