原子の地図帳 / 第5周期・遷移金属

パラジウム(Palladium, Pd)

パラジウムは原子番号46の白金族遷移金属で、d軌道が完全に満たされた独特の電子配置(4d¹⁰5s⁰)を持ちます。水素を大量に吸蔵できる性質と有機合成における触媒活性の高さで知られます。

46 常温: 固体
Pd
Palladium
原子量: 106.42

基本データ

原子番号
46
元素記号
Pd
元素名(日本語)
パラジウム
元素名(英語)
Palladium
分類
遷移金属
周期 / 族
第5周期 / 10族
標準状態
固体
標準原子量
106.42
電子配置
[Kr] 4d10
電気陰性度(Pauling)
2.20
主な酸化数
+2, 0

注: 物性値は温度・圧力・同位体組成などにより変化します。代表的な学習用の値を掲載しています。

電子配置(ボーアモデル)

K L M 18e⁻ N 18e⁻ Pd

電子配置式

[Kr] 4d10

電子殻電子数
K(2e⁻まで)2個
L(6e⁻まで)8個
M(10e⁻まで)18個
N(14e⁻まで)18個

概要

パラジウムは白金族金属の中では比較的軽く、常温で自身の体積の最大900倍もの水素ガスを吸収できる特異な性質を持ちます。この水素との高い親和性が触媒としての優れた性能の理由になっています。

発見の歴史

1803年、イギリスの化学者ウィリアム・ハイド・ウォラストンが白金鉱石の分析中に発見しました。発見直前に見つかった小惑星パラスにちなんで命名されました。

主な用途・特徴

  • 三元触媒(自動車排ガス浄化)
  • 有機合成クロスカップリング触媒(Pdカタリシス)
  • 水素精製・分離膜
  • 電子部品(積層セラミックコンデンサ電極)

自動車の排ガスを浄化する触媒として最大の需要があり、有機合成の分野でもクロスカップリング反応の触媒として化学工業に革命をもたらしました。

安全性・取扱い

金属としては毒性が低く、宝飾品や触媒として日常的に安全に利用されています。

学習のポイント

自重の900倍もの水素を吸収できる性質は、触媒反応や水素社会に関わる化学を学ぶ際の興味深い例になります。

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