原子の地図帳 / 第4周期・希ガス

クリプトン(Krypton, Kr)

クリプトンは原子番号36の希ガス元素で、放電時に白色から青緑色の光を発します。ほぼ完全に不活性ですが、フッ化物(KrF₂)のような少数の化合物が知られています。

36 常温: 気体
Kr
Krypton
原子量: 83.798

基本データ

原子番号
36
元素記号
Kr
元素名(日本語)
クリプトン
元素名(英語)
Krypton
分類
希ガス
周期 / 族
第4周期 / 18族
標準状態
気体
標準原子量
83.798
電子配置
[Ar] 3d10 4s2 4p6
電気陰性度(Pauling)
―
主な酸化数
0

注: 物性値は温度・圧力・同位体組成などにより変化します。代表的な学習用の値を掲載しています。

電子配置(ボーアモデル)

K L M 18e⁻ N Kr

電子配置式

[Ar] 3d10 4s2 4p6

電子殻電子数
K(2e⁻まで)2個
L(6e⁻まで)8個
M(10e⁻まで)18個
N(14e⁻まで)8個

概要

クリプトンは空気中にわずか100万分の1程度しか存在しない稀少な希ガスで、化学的にはほぼ不活性です。かつては1メートルの長さの定義にクリプトン原子の発する光の波長が使われていたこともあります。

発見の歴史

1898年、イギリスのウィリアム・ラムゼーとモリス・トラバースが液体空気の蒸発残留物から発見しました。名前はギリシャ語で「隠れたもの」を意味する「kryptos」に由来し、空気中にごくわずかしか存在せず発見が難しかったことにちなみます。

主な用途・特徴

  • 高性能投光器・スタジオ照明(ランプ封入)
  • KrFエキシマレーザー(半導体露光)
  • 2重ガラス窓の封入断熱ガス
  • 研究用トレーサーガス

高輝度の光を発する特殊ランプや、半導体露光に使うレーザーのガスとして、精密な光技術の分野で利用されています。

安全性・取扱い

化学的にほぼ不活性で無毒ですが、高濃度では他の希ガスと同様に酸欠の危険があるため密閉空間での使用には注意が必要です。

学習のポイント

かつて長さの基準(メートル)に使われた歴史を持ち、物理定数と元素の関わりを学ぶ際の話題になります。

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