原子の地図帳 / 第6周期・ランタノイド

ジスプロシウム(Dysprosium, Dy)

ジスプロシウムは原子番号66のランタノイドで、ネオジム磁石に添加することで高温での保磁力を向上させる役割を担い、EV・ハイブリッド車のモーターに使われます。

66 常温: 固体
Dy
Dysprosium
原子量: 162.500

基本データ

原子番号
66
元素記号
Dy
元素名(日本語)
ジスプロシウム
元素名(英語)
Dysprosium
分類
ランタノイド
周期 / 族
第6周期 / 3族
標準状態
固体
標準原子量
162.500
電子配置
[Xe] 4f10 6s2
電気陰性度(Pauling)
―
主な酸化数
+3

注: 物性値は温度・圧力・同位体組成などにより変化します。代表的な学習用の値を掲載しています。

電子配置(ボーアモデル)

K L M 18e⁻ N 28e⁻ O P Dy

電子配置式

[Xe] 4f10 6s2

電子殻電子数
K(2e⁻まで)2個
L(6e⁻まで)8個
M(10e⁻まで)18個
N(14e⁻まで)28個
O(18e⁻まで)8個
P(22e⁻まで)2個

概要

ジスプロシウムはランタノイドの中でも特に高い磁気特性を持つ元素で、高温環境下でも磁力を維持しやすい性質があります。天然には他の希土類元素と共に鉱石中にわずかに含まれ、分離・精製には高度な技術が必要です。

発見の歴史

1886年、フランスの化学者ポール・エミール・ルコック・ド・ボアボードランがホルミウムの化合物から分離しました。発見の困難さから、ギリシャ語で「得るのが難しい」を意味する「dysprositos」にちなんで命名されました。

主な用途・特徴

  • Nd磁石の高温特性向上添加
  • データ記録用磁性材料
  • 中性子吸収体
  • 磁気光学デバイス

ネオジム磁石にわずかに添加することで高温での性能劣化を防ぐ役割を担い、ハイブリッド車や風力発電のモーターに欠かせません。

安全性・取扱い

金属は粉末状で発火しやすい性質がありますが、化合物としての毒性は低く磁石材料として安全に利用されています。

学習のポイント

ネオジム磁石の性能を支える「脇役」元素として、少量の添加元素が材料の性能を大きく変える例として紹介されます。

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