原子の地図帳 / 第6周期・ハロゲン

アスタチン(Astatine, At)

アスタチンは原子番号85のハロゲン元素で、すべての自然発生元素の中で地球上に存在する量が最も少ない元素です。放射性であり短半減期のため、研究量が微量に限られています。

85 常温: 固体
At
Astatine
原子量: 210(²¹⁰At)

基本データ

原子番号
85
元素記号
At
元素名(日本語)
アスタチン
元素名(英語)
Astatine
分類
ハロゲン
周期 / 族
第6周期 / 17族
標準状態
固体
標準原子量
210(²¹⁰At)
電子配置
[Xe] 4f14 5d10 6s2 6p5
電気陰性度(Pauling)
2.2
主な酸化数
-1, +1

注: 物性値は温度・圧力・同位体組成などにより変化します。代表的な学習用の値を掲載しています。

電子配置(ボーアモデル)

K L M 18e⁻ N 32e⁻ O 18e⁻ P At

電子配置式

[Xe] 4f14 5d10 6s2 6p5

電子殻電子数
K(2e⁻まで)2個
L(6e⁻まで)8個
M(10e⁻まで)18個
N(14e⁻まで)32個
O(18e⁻まで)18個
P(22e⁻まで)7個

概要

アスタチンは天然にはごくわずかしか存在せず、地球上に存在する総量はわずか数十グラム程度と推定される非常に稀少な元素です。ハロゲンの仲間ですが、半減期が極めて短く化学的性質の研究自体が難しい元素として知られています。

発見の歴史

1940年、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のデイル・コルソンらがビスマスに重粒子線を照射して人工的に合成しました。名前はギリシャ語で「不安定」を意味する「astatos」に由来し、すべての同位体が強い放射能を持つ性質を表しています。

主な用途・特徴

  • がん標的アルファ線治療(²¹¹At)
  • 放射性医薬品研究
  • 核物理研究

短寿命のα線放出核²¹¹Atはがん細胞を狙い撃つ標的アルファ線治療への応用が研究されており、医療分野での将来性が注目されています。

安全性・取扱い

強い放射能を持つため一般には存在せず、研究機関でごくわずかな量のみ厳重に管理されて扱われます。

学習のポイント

ハロゲンの中で最も重く、天然存在量が最も少ない元素として「ハロゲンの性質のまとめ」を学ぶ際の対比例に使われます。

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