原子の地図帳 / 第7周期・アクチノイド
アクチニウム(Actinium, Ac)
アクチニウムは原子番号89の放射性アクチノイド元素で、アクチノイド系列の始まりとなる元素です。強力なβ・γ線放射体で、がんの放射線治療研究に使われています。
89
常温: 固体
Ac
Actinium
原子量: 227(²²⁷Ac)
基本データ
- 原子番号
- 89
- 元素記号
- Ac
- 元素名(日本語)
- アクチニウム
- 元素名(英語)
- Actinium
- 分類
- アクチノイド
- 周期 / 族
- 第7周期 / 3族
- 標準状態
- 固体
- 標準原子量
- 227(²²⁷Ac)
- 電子配置
- [Rn] 6d1 7s2
- 電気陰性度(Pauling)
- 1.10
- 主な酸化数
- +3
注: 物性値は温度・圧力・同位体組成などにより変化します。代表的な学習用の値を掲載しています。
電子配置(ボーアモデル)
電子配置式
[Rn] 6d1 7s2
| 電子殻 | 電子数 |
|---|---|
| K(2e⁻まで) | 2個 |
| L(6e⁻まで) | 8個 |
| M(10e⁻まで) | 18個 |
| N(14e⁻まで) | 32個 |
| O(18e⁻まで) | 18個 |
| P(22e⁻まで) | 9個 |
| Q(26e⁻まで) | 2個 |
概要
アクチニウムは強い放射能を持つ銀白色の金属で、暗所でぼんやりと青白く発光することが知られています。天然にはウラン鉱石中にごくわずかに存在するのみで、工業量での利用はほとんどなく、主に原子炉で人工的に生成した²²⁷Acが研究・医療分野で使われます。
発見の歴史
1899年、フランスの化学者アンドレ・ドビエルヌがウラン鉱石(ピッチブレンド)の残留物からキュリー夫妻の研究に続いて発見しました。名前はギリシャ語で「光線」を意味する「aktinos」にちなみ、強い放射能を放つことに由来します。
主な用途・特徴
- がん標的β線治療(²²⁵Ac)
- 中性子源(Ac-Be)
- 放射性崩壊研究
放射能の強さから、近年はがんの標的アルファ線治療(²²⁵Ac-PSMAなど)の線源として医療応用の研究が進んでいます。
安全性・取扱い
強い放射能を持つため、専門の施設以外で取り扱うことはありません。研究現場では厳重な遮蔽と管理のもとで扱われています。
学習のポイント
アクチノイド系列の最初の元素で、ランタノイドの「ラ」に対して「アクチノイドのア」として周期表の覚え方の起点になります。
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