Chem News

Chem ニュース 世界の「いま」を、化学のことばで

Chem Atlasがピックアップした論文・プレスリリース・教育ニュースなどを、 学習のヒントになる形でまとめて紹介します。
気になるトピックから、教科書の外の化学の世界をのぞいてみましょう。

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📰 最新ピックアップ

2026-10-07 有機化学 ★★☆

2026年ノーベル化学賞は硤合憲三氏とカガン氏に!「鏡写しの分子」のかたよりが増幅するしくみ

2026年のノーベル化学賞が、東京理科大学名誉教授の硤合(そあい)憲三氏とフランスのアンリ・カガン氏に贈られることが発表されました。右手と左手のように鏡写しの関係にある分子(鏡像異性体)のうち、ほんのわずかな片方へのかたよりが反応の中で大きく増幅される「非線形効果」と「不斉自己触媒反応」の発見が評価されました。生成物そのものが自分をつくる触媒になる硤合反応は、生命がなぜ片方の型のアミノ酸だけを使うのかという謎にも迫る成果です。

  • #ノーベル化学賞
  • #鏡像異性体
  • #不斉合成
  • #触媒

2026-10-06 物理化学 ★★★

電子とプロトンが一緒に動く瞬間を、超高速X線でとらえた

光合成などで自然がエネルギーを効率よく運ぶカギとなる「プロトン共役電子移動(PCET)」。米国パシフィック・ノースウェスト国立研究所などのチームは、光を吸収して周囲からプロトン(H⁺)を受け取るルテニウム錯体を、X線自由電子レーザー施設LCLSの超高速X線で観察しました。分子の電子状態の変化と、まわりの水分子の並び替えが連動して進む様子を初めてとらえたと報告しています。触媒や燃料電池、フロー電池の設計に役立つと期待されます。

  • #電子移動
  • #錯体
  • #酸と塩基
  • #反応のしくみ

2026-10-04 環境・材料 ★★☆

硫黄がカギ!光で水から水素をつくる新しいMOF「BVR-19」

米国オレゴン州立大学のチームが、光を当てると水から水素を発生させる金属有機構造体(MOF)「BVR-19」を開発しました。ふつうは高価な金属の助触媒が必要ですが、この材料では硫黄を含む有機部分が光のエネルギーを受け取り、電子を運ぶ役目をはたします。室温の水溶液中で自然に組み上がるため、つくるときのエネルギーも少なくてすみます。まだ基礎研究の段階ですが、再生可能エネルギーでつくる「グリーン水素」のコストを下げる設計指針になると期待されています。

  • #水素
  • #光触媒
  • #MOF
  • #エネルギー

2026-10-01 無機・分析 ★★★

102番元素ノーベリウムは「軟らかい」!? 周期表の端っこで起きていること

大阪大学・高エネルギー加速器研究機構・理化学研究所などのチームが、人工元素である102番元素ノーベリウムのイオンが、環状の分子「クラウンエーテル」と予測以上に強く結びつくことを観測しました。原因は、重い元素ほど強くはたらく「相対論効果」によって、金属イオンが化学的に「軟らかい」性質を帯びたためと考えられています。周期表の下のほうでは、教科書どおりの規則性からずれることがある――そんな重元素化学の面白さが伝わる成果です。

  • #周期表
  • #重元素
  • #相対論効果
  • #錯体

2026-09-29 生命・医薬 ★★☆

がん細胞が出す一酸化炭素を「原料」に、細胞の中で抗がん剤を合成

理化学研究所と東京科学大学のチームが、がん細胞が過剰につくる一酸化炭素(CO)を原料にして、がん細胞の中で抗がん活性をもつ化合物を合成することに成功しました。カギは、パラジウム錯体をタンパク質アルブミンのポケットに収めた「アルブミン-パラジウム複合体」。この触媒が細胞内のCOをつかまえて反応させます。ヒトの培養細胞を使った段階の研究ですが、薬を外から運ぶのではなく「現場でつくる」という新しい治療戦略として注目されます。

  • #触媒
  • #パラジウム
  • #一酸化炭素
  • #創薬

2026-09-10 教育・その他 ★☆☆

2026年イグ・ノーベル化学賞は「ゴキブリのミルク」の研究に

「人々を笑わせ、そして考えさせる」研究に贈られるイグ・ノーベル賞。2026年の化学賞は、卵ではなく体内で子どもを育てるゴキブリの一種(Diploptera punctata)が、子に与える栄養物質、いわゆる「ゴキブリのミルク」を調べた国際研究チームに贈られました。受賞者の一人レオナルド・シャバス博士は、日本の総合研究大学院大学の修了生です。思わず笑ってしまうテーマの裏に、生きものがつくる物質を調べる本格的な科学があります。

  • #イグ・ノーベル賞
  • #生体物質
  • #タンパク質
  • #科学のおもしろさ

🗂️ 過去のニュースは順次アーカイブとして整理していく予定です。

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