このページの使い方(参考書)
まず“式カード”で要点をつかむ
意味:「微分の逆演算」。定数 \(C\) はどの原始関数でも成り立つ“ずれ”。
単位: \(f\) の単位×\(x\) の単位。例:速度 \(v\) [m·s\(^{-1}\)] を時間で積分すると距離 [m]。
意味:グラフの「符号付き面積」。\(f(x)\ge0\) なら面積、負の区間は減算されます。
単位: 不定積分と同じ(例:圧力-体積なら J)。
手順: \(u\) を導入→\(du=g'(x)\,dx\) に置換→積分→元の変数に戻す。
化学例: \(k(T)\) の \(T\) 依存を \(u=1/T\) で直線化(Arrhenius)など。
使いどころ:「多項式×指数/三角関数」など、微分で単純化する片方を \(u\) に選びます。
コツ: LIATE(Log, Inv trig, Alg, Trig, Exp)の順に \(u\) 候補を検討。
操作のヒント:上の式カードはクリック/Enterで拡大表示できます。
基本公式(よく使う形)
| 関数 \(f(x)\) | 原始関数 \(\int f(x)\,dx\) | メモ |
|---|---|---|
| \(x^n\)(\(n\ne -1\)) | \(x^{n+1}/(n+1) + C\) | 指数を +1 して割る |
| \(1/x\) | \(\ln|x|+C\) | 特異点に注意 |
| \(e^{ax}\) | \(\tfrac{1}{a}e^{ax}+C\)(\(a\ne0\)) | チェイン則の逆 |
| \(\sin ax\) | \(-\tfrac{1}{a}\cos ax + C\) | |
| \(\cos ax\) | \(\tfrac{1}{a}\sin ax + C\) | |
| \(e^{-x^2}\) | (初等関数で不可) | 誤差関数 erf |
対数や逆三角関数が出る形は、置換や部分積分を第一候補に。
単位で理解する積分(化学で頻出)
- 仕事: \(W=\displaystyle\int P\,dV\)(J)。等温・理想気体なら \(W=nRT\ln(V_2/V_1)\)。
- 総量: 速度の積分 \(\displaystyle\int v\,dt\) は移動距離(m)。
- ピーク面積: スペクトル強度の積分は成分量と比例(キャリブレーション前提)。
数値積分デモ(台形則/Simpson)
式の意味と計算の感覚を揃えるためのミニツールです(対数軸が必要な場合は関数を選び直してください)。
Simpson は N を偶数にしてください。1/x は \(a,b>0\) でのみ計算。
等温膨張の仕事 \(W = nRT\ln(V_2/V_1)\)
体積は L→m3(1 L = 10−3 m3)に変換してから式に入れます。結果は J(ジュール)。
練習問題(解答はクリックで表示)
Q1:\(\displaystyle \int_0^{\pi}\sin x\,dx\)
A:\([- \cos x]_0^{\pi} = 2\)。
Q2:\(\displaystyle \int x e^{x}\,dx\)
A:部分積分で \(u=x,\,dv=e^x dx\) ⇒ \(x e^x - \int e^x dx = (x-1)e^x + C\)。
Q3:\(\displaystyle \int_{1}^{e} \frac{\ln x}{x}\,dx\)
A:置換 \(u=\ln x\) で \(\tfrac{1}{2}u^2\big|_{0}^{1}=\tfrac{1}{2}\)。
Q4:等温膨張(n=1.00 mol, T=298 K, V1=10.0 L, V2=20.0 L)。\(W\) は?[kJ]
A:\(W=nRT\ln 2 \approx 8.314×298×0.693 ≈ 1.72\ \mathrm{kJ}\)。