このページの使い方(参考書)
まず“式カード”で要点をつかむ
意味: \(x\) を微小に変えたときの 瞬間の変化率。グラフの接線の傾き。
単位: \(y=f(x)\) の単位を [\(Y\)]、\(x\) の単位を [\(X\)] とすると、\(f'(x)\) の単位は [\(Y\)] / [\(X\)] になります。
意味: べき乗、積・商、合成関数(連鎖律)の微分。化学式の変形や誤差伝播の計算で頻出します。
意味: 一次反応の減衰 \([A](t)=[A]_0 e^{-kt}\) では d[A]/dt = -k[A]。
pH の微小変化や Arrhenius プロットの傾きの読み取りにも微分の考え方が役立ちます。
使い方:カードはクリック(または Enter)で数式をさらに大きく表示できます。
微分の基本公式(要点表)
| 種別 | 式 | 補足・典型ユース |
|---|---|---|
| 定数・一次 | \( (C)'=0,\quad (ax+b)'=a \) | 直線の傾きは常に一定 |
| べき乗 | \( (x^n)'=n x^{n-1} \) | 濃度の冪乗律、誤差伝播 |
| 積・商 | \( (uv)'=u'v+uv',\ \ (u/v)'=(u'v-uv')/v^2 \) | 比や吸光度の扱い |
| 連鎖律 | \( (g\!\circ\! f)'(x)=g'(f(x))\,f'(x) \) | 複合量(\(\ln k(T)\) など) |
| 指数 | \( (e^{kx})'=k e^{kx} \) | 一次反応の速度式 |
| 対数 | \( (\ln x)'=1/x,\ \ (\log_{10}x)'=1/(x\ln10) \) | 片対数の傾き解釈 |
| 三角 | \( (\sin x)'=\cos x,\ \ (\cos x)'=-\sin x \) | 振動・位相の変化率 |
接線と差分商:傾きの“見える化”
ねらい:関数 \(f(x)\) の点 \(x_0\) における 接線の傾き(理論値 \(f'(x_0)\))と、 微小幅 \(h\) を用いた差分傾き(数値近似)を並べて可視化します。
近似には中心差分 \( \{f(x_0{+}h)-f(x_0{-}h)\}/(2h) \) を使用。\(h\to 0\) で \(f'(x_0)\) に収束します。
化学での例:瞬間速度と単位
反応速度の定義は \( r = -\,d[A]/dt \)(消費側はマイナス)。単位は M·s−1 など。 一次反応 \( [A](t)=[A]_0 e^{-kt} \) なら \( d[A]/dt=-k[A] \)(\(k\) の単位は s−1)。
極値と凹凸:導関数から性質を読む
\(f'(x^\*)=0\) かつ \(f''(x^\*)\neq 0\) なら、\(f''(x^\*)>0\) で極小、\(f''(x^\*)<0\) で極大。 多項式 \(ax^3+bx^2+cx+d\) を例に、停留点と極大/極小を自動判定します。
練習問題(解答はクリックで表示)
Q1:\(f(x)=x^3-3x\)。\(x=2\) での接線の傾きは?
A:\(f'(x)=3x^2-3\)。\(x=2\) で \(f'(2)=9\)。
Q2:一次反応 \([A](t)=[A]_0 e^{-kt}\)。\(t\) 秒後の瞬間速度 \(-d[A]/dt\) は?
A:\(-\,d[A]/dt = k[A]_0 e^{-kt}\)(単位:M·s−1)。
Q3:\(y=\log_{10}x\)。\(x=10\) における \(\displaystyle dy/dx\) は?
A:\((\log_{10}x)'=1/(x\ln 10)\)。よって \(1/(10\ln 10)\)。