このページのねらい
複素数は、波の表現・位相の取り扱い・線形システムの解析を簡潔にします。 化学では FT-IR/NMR のフーリエ変換、交流インピーダンス(EIS)、振動・回転の位相に直結。 ここでは 直交(実部・虚部)と極形式、オイラーの公式、四則演算、フェーザ合成をミニツールで体感します。
複素数の基本
| 項目 | 式 | ポイント |
|---|---|---|
| 定義 | z = x + iy(x = \Re z, y = \Im z, i^2 = -1) |
直交座標(実軸・虚軸) |
| 極形式 | z = r(\cos\theta + i\sin\theta) = r e^{i\theta} |
r=|z|=\sqrt{x^2+y^2}、\theta=\arg z = \mathrm{atan2}(y,x) |
| 共役 | \overline{z} = x - iy |
|z|^2 = z\overline{z} |
| 積・商(極形式) | z_1 z_2 = r_1 r_2 e^{i(\theta_1+\theta_2)}z_1/z_2 = (r_1/r_2) e^{i(\theta_1-\theta_2)} |
位相が加減されるのがポイント |
| 複素指数 | e^{(\sigma+i\omega)t}=e^{\sigma t}\{\cos(\omega t)+i\sin(\omega t)\} |
減衰振動の記述(実部が可観測量) |
直交(x+iy)↔ 極形式(r∠θ)
—
複素数の演算
z1 と z2 を入力
—
掛け算・割り算では、極形式だと「大きさは掛け算/割り算」「位相は加算/減算」で直観的に把握できます。
オイラーの公式:e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta
°
→
\Re:、\Im:
単位円上の点 e^{i\theta} が回転(位相変化)を表します。実部が \cos\theta、虚部が \sin\theta。
フェーザ合成(A∠φ と B∠ψ の和)
※ A∠φ + B∠ψ = 実軸・虚軸に分解してからベクトル和。結果の大きさと位相を表示。
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EISの最小例:直列 R–C のインピーダンス
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式:Z = R + \frac{1}{i\omega C} = R - i\frac{1}{\omega C}(\omega=2\pi f)。ナイキスト図では (\Re Z, -\Im Z) を用います。
練習問題(解答はクリックで表示)
Q1:z=1+i\sqrt{3} を極形式で。
A:r=2、\theta=60^\circ → z=2e^{i\pi/3}
Q2:2∠30^\circ と 3∠45^\circ の積。
A:大きさ 6、位相 75^\circ → 6∠75^\circ
Q3:\theta=120^\circ のとき e^{i\theta} の実部・虚部。
A:\cos120^\circ=-1/2、\sin120^\circ=\sqrt{3}/2
Q4:フェーザ 1∠0^\circ と 1∠90^\circ の和の大きさ・位相。
A:\sqrt{2}、45^\circ
Q5:R=100 Ω、C=1 μF、f=1.0 kHz。Z の実部・虚部。
A:\omega=2\pi×10^3、\Im Z = -1/(\omega C) ≈ -159.15 Ω、\Re Z = 100 Ω