このページのねらい

数値積分は、解析的に積分できない関数の面積を近似する技法です。 化学では ピーク面積(吸光・クロマトグラム)分配関数の近似反応熱の評価 などに直結します。ここでは 台形則・中点則・シンプソン則自動適応(Adaptive Simpson)を比較し、 収束オーダと誤差の振る舞いを体感します。

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数値積分の基本

手法公式(区間幅 h)収束オーダ特徴
中点則 \int f ≈ \sum f(x_{i+1/2})\,h O(h²) 単純・安定。奇関数の誤差に強いことも
台形則 \int f ≈ \sum \tfrac{f_i+f_{i+1}}{2}\,h O(h²) 不等間隔データにも拡張容易
シンプソン則 \int f ≈ \sum \tfrac{f_{2i}+4f_{2i+1}+f_{2i+2}}{6}\,h O(h⁴) 偶数分割が必要。滑らかな関数に高精度
適応型(Adaptive Simpson) 局所誤差で区間分割を自動調整 関数に応じて効率化 ピークや急峻部でメッシュ自動微細化

積分プレイグラウンド(関数/区間/精度の比較)

結果(値・誤差・関数評価回数)

真値は高精度の 適応シンプソン(厳しめの ε)で近似しています。シンプソン則は偶数分割に自動調整します。

化学例:ピーク面積(ガウス+ベースライン)

スペクトル強度を f(x)=c_0 + A\,\exp\{-\tfrac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\} とし、ベースライン c₀ を差し引いた面積を求めます。 真の面積は A\,\sigma\sqrt{2\pi}

ベースラインを引いた面積:\int_{\mu-W}^{\mu+W} (f(x)-c_0)\,dx。W を大きくすると真値に近づきます(数値は台形則)。

不等間隔データの台形則

x で昇順ソートし、区間ごとに (y_i+y_{i+1})/2 · (x_{i+1}-x_i) を足し合わせます。

練習問題(クリックで採点)

  1. Q1:\int_0^1 x^2 dx の値は? 
  2. Q2:\int_0^\pi \sin x\,dx の値は? 
  3. Q3:O(h⁴) の精度をもつのはどの手法?(語:シンプソン) 
  4. Q4:台形則で分割数 N を 2倍にすると、誤差は概ね何倍? 
  5. Q5:Adaptive Simpson は曲がりが大きい部分を自動的に細かく分割する(はい/いいえ)