このページのねらい

実験値には 偶然誤差系統誤差 が混在します。 このページでは、GUM(Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement)に基づく 不確かさの合成(偏微分法)モンテカルロ伝播を実演し、 さらに系統誤差の影響検出限界(LOD/LOQ)の見積もりを体感します。

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誤差解析の基本

概念定義・式ポイント化学での例
偶然誤差(ランダム) 繰返しで正負に揺れる誤差 平均回数を増やせば縮小(∝1/√n) ノイズ、読取りばらつき
系統誤差(バイアス) 一定方向のズレ(オフセット/感度) 平均では消えない。校正で補正 ゼロ点ずれ、傾き誤差
型A/型B評価 型A:統計的(標準偏差)/型B:仕様・カタログ等 両者を標準不確かさ(1σ)に揃えて合成 分解能、器差、温度係数
不確かさ伝播(一次近似) u_y^2=\sum_i (∂f/∂x_i)^2u_i^2 + 2\sum_{i 小さなゆらぎ・弱非線形で有効 濃度計算、熱力学関数の換算
拡張不確かさ U=k\,u_ck≈2で約95%) 報告値の±表記に用いる 測定結果の最終表示

不確かさ伝播:偏微分法(GUM)とモンテカルロ

関数 y=f(a,b,c,d) を指定し、名目値と標準不確かさ(1σ)、相関係数を入力。偏微分による合成不確かさと、モンテカルロでの推定を比較します。

名目値・標準不確かさ(1σ)

変数u(1σ)
a
b
c
d

相関係数(rij

abcd
a
b
c
d
寄与率(sens.×u の二乗による割合)

式は JavaScript で評価します。Math.log, Math.sin などが使えます(例:a*Math.exp(b)/c)。相関が強い/非線形が強い場合はモンテカルロを重視してください。

系統誤差の影響:平均を増やしても消えないズレ

測定値 x=(1+ε/100)μ_{true}+Δ+ノイズ。平均を増やすとノイズは減りますが、Δ と ε に由来するズレは残ります(校正で補正)。

検出限界(LOD)と定量下限(LOQ)の目安

単純化した目安:LOD = k σ_0 / s(信号→濃度換算)。LOQ はしばしば k=10 を用います。

練習問題(クリックで採点)

  1. Q1:y=a\,ba=2±0.1b=3±0.2(いずれも1σ、独立)。合成標準不確かさ u_y は? 
  2. Q2:y=a-bu(a)=u(b)=u、相関 r=+1u_y は? 
  3. Q3:LOD の係数 k としてよく使われるのは?(数値) 
  4. Q4:平均回数を増やすと主に低減できるのは(偶然/系統)誤差? 
  5. Q5:非線形性が強いとき、偏微分法よりモンテカルロが有利(はい/いいえ)