このページのねらい

ラプラス変換は、時間関数を複素数変数 s の関数に写し、初期値問題線形系の応答を代数的に解くための道具です。化学では 反応速度の緩和物質移動・伝熱の入出力応答制御(CSTR/温度制御など)の伝達関数に直結します。

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ラプラス変換の基本

項目ポイント
定義 \mathcal{L}\{f(t)\}=F(s)=\int_{0}^{\infty} f(t)\,e^{-st}\,dt 逆変換:f(t)=\mathcal{L}^{-1}\{F(s)\}(Bromwich など)
線形性 a f + b g \;\Longleftrightarrow\; aF + bG 重ね合わせで扱える
時間微分 \mathcal{L}\{f'(t)\}=sF(s)-f(0^+) 初期値が登場するのが最大の利点
シフト f(t-t_0)u(t-t_0) \;\Longleftrightarrow\; e^{-s t_0}F(s) ステップ加熱・パルス注入の記述
畳み込み (f*g)(t) \;\Longleftrightarrow\; F(s)G(s) インパルス応答と入出力
代表例 \mathcal{L}\{1\}=1/s\mathcal{L}\{t\}=1/s^2\mathcal{L}\{e^{-a t}\}=1/(s+a)
\mathcal{L}\{\sin bt\}=b/(s^2+b^2)\mathcal{L}\{\cos bt\}=s/(s^2+b^2)\mathcal{L}\{\delta(t)\}=1
極(pole)と零点(zero)の位置が重要

数値で見るラプラス変換:F(s)=\int_0^\infty f(t)e^{-st}dt

有限上限 T_{\max} まで台形公式で近似し、F(s)実軸上(s>0)で描きます。理論式を灰色点線で重ねます。

数値誤差は T_{\max} の切断と刻み幅に依存します。s が小さいほど大きめの T_{\max} が必要。

伝達関数とステップ応答(極・零点の直観)

極が左半平面にあれば安定。2次系の減衰比 ζ が小さいほどオーバーシュートが大きくなります。

練習問題(クリックで採点)

  1. Q1:\mathcal{L}\{1\}(s)s=5 で評価すると? 
  2. Q2:\mathcal{L}\{e^{-2t}\}(s)s=4 で評価すると? 
  3. Q3:\mathcal{L}\{\sin(3t)\}(s)s=5 で評価すると? 
  4. Q4:微分方程式 y'+2y=4, y(0)=0 の定常値 y(\infty) は? 
  5. Q5:G(s)=1/(4s+1) の極は?(数値)