🚶‍♂️ 粒子の拡散:混ぜなくても広がる理由

拡散は、濃いところから薄いところへ粒子が自然に広がっていく現象です。 かき混ぜていなくても進むのは、粒子がつねに不規則に動いているから(=熱運動)。気体では粒子間が遠く壁や他粒子との衝突をくり返すため 速い、液体では分子が密で通り道が狭くなるため遅いのが一般的です。

拡散の速さはおおむね温度が高いほど速く、粒子が軽いほど速い(後述の速度式とつながります)。

🔥 熱運動:温度とは粒子の運動のはげしさ

物質をつくる粒子は自分で動くエネルギー(並進・回転など)をもち、これを熱運動と呼びます。 温度が高いほど平均の運動エネルギーは大きくなり、拡散も速くなります。 気体では速度は一様ではなく、たくさんの粒子の速度は「マクスウェル=ボルツマン分布」に従い、 温度が高いほど分布の山は右(高速側)へ移動し、裾も広がるのが特徴です。

🏎️ 気体分子の速さ:3つの代表値と粒子質量の影響

一定温度 T の理想気体で、モル質量を M(kg/mol)、気体定数を R とすると、代表的な速さは次で与えられます。

名称式(理想気体)ポイント
最確速度(分布の山の位置) \( v_{\rm mp}=\sqrt{\frac{2RT}{M}} \) 「いちばん多い」速度。温度が上がると右へ。
平均速度 \( \bar v=\sqrt{\frac{8RT}{\pi M}} \) 衝突頻度や拡散の直感と相性がよい。
実効速度(rms) \( v_{\rm rms}=\sqrt{\frac{3RT}{M}} \) 運動エネルギー \( \tfrac{1}{2}mv^2 \) の平均と対応。

いずれも \(T\) が高いほど速く、\(M\) が小さいほど速い(軽い気体ほど速い)。 この事実は、異なる気体が小孔から出ていく グレアムの法則 \( \text{速度} \propto \dfrac{1}{\sqrt{M}} \) とも一致します。

例:同じ温度では NH\(_3\) の方が CO\(_2\) より平均速度が大きく、拡散も速い。

🧱 (発展)気体の圧力:壁に当たる衝突の効果

気体の圧力は、熱運動する分子が容器の壁に衝突して運動量を与えることの総和として生じます。 温度が高い(=速い)ほど、また粒子数密度が高いほど圧力は大きくなります(理想気体の状態方程式:$pV=nRT$)。 単位は Pa(パスカル)、大気圧は約 $1.013\\times10^5$ Pa1 atm)。歴史的には トリチェリの実験で水銀柱の高さ約760 mmが目安として使われました。

🧪 観察のコツと安全メモ

📝 まとめ