高校化学 / 理論

金属の結晶 格子・単位格子・bcc/fcc/hcpからX線回折まで

この単元は「規則正しい並び」を 格子+基底 で捉えるところから始め、代表的な金属結晶(bcc / fcc / hcp)を 原子数・配位数・充填率で比較し、さらに 密度計算ミラー指数X線回折へつなげます。
最後に、現実の金属が「粒の集合」であり、欠陥相変態が性質を左右することまで一気に見通します。

※このページは、一般に知られた結晶学・材料科学の知識をもとに、Chem Atlas向けに再構成したオリジナル解説です(本文の転載はしません)。

暗記する最低限

最低限ここだけ(まず暗記)

bcc / fcc / hcp を「原子数 $Z$・配位数CN・充填率(APF)・$a$と$R$の関係」で即答できるようにする。
その上で、密度は「単位格子の質量 ÷ 単位格子の体積」、XRDは「面間隔 $d$ とブラッグ条件」で読む。

構造 単位格子中の原子数 $Z$ 配位数 CN 充填率(APF) $a$ と $R$ の関係(硬球モデル) 代表例(高校レベル)
bcc 体心立方 $2$ $8$ 約 $0.68$ $\sqrt{3}\,a=4R$(体対角) Fe(α), Cr, W など
fcc 面心立方 $4$ $12$ 約 $0.74$ $\sqrt{2}\,a=4R$(面対角) Cu, Al, Ag, Au, Ni など
hcp 六方最密 (慣用)$6$ $12$ 約 $0.74$ $a=2R$(底面の最近接)
(理想)$c/a\approx 1.633$
Mg, Zn, Ti(α) など
\[ \rho=\frac{Z\,M}{N_A\,V_{\text{cell}}} \qquad (\text{立方晶なら }V_{\text{cell}}=a^3) \] \[ n\lambda=2d\sin\theta \qquad (\text{ブラッグの法則}) \]
よく出る“数え上げ”だけ先に確認
  • 角の原子:1つの角は 8 個の単位格子で共有 → $1/8$ 個として数える。
  • 面心の原子:1つの面は 2 個の単位格子で共有 → $1/2$ 個として数える。
  • 体心の原子:共有されない → $1$ 個として数える。

1. 結晶とは何か:格子・基底・周期性

「規則正しい並び」を数式化する:格子(lattice)+基底(basis)

結晶は「原子が規則正しく並んでいる固体」です。ただし “規則正しい” をそのまま言葉で覚えると曖昧になりがちです。 そこで結晶学では、規則の骨組み(格子)その上に置く原子のセット(基底) を分けて考えます。

なぜ?(イメージ)

  • 格子:点が “同じ形で無限に繰り返す” ルール(平行移動の周期性)。
  • 基底:各格子点の周りに配置される原子の “ひとかたまり”。
  • 結晶構造は 「格子+基底」 として表すと、材料を共通の言語で整理できる。
格子点(lattice) 基底(basis) 格子点の位置が周期的に繰り返され、その上に同じ原子セット(基底)を置く。 例:格子点の近くに 「橙+紫」の2原子を置く
「格子(点の周期的配置)」に「基底(原子のセット)」を載せると、結晶構造として表現できます(概念図)。

「結晶」と「多結晶」「アモルファス」の違い(導入)

“結晶”という言葉は、周期性(規則がどれだけ遠くまで続くか)で整理すると混乱しにくくなります。

種類 周期性(長距離秩序) イメージ 性質の傾向
単結晶 広い範囲で周期性が保たれる 1つの方位がずっと続く 方向によって性質が変わりやすい(異方性)
多結晶 粒ごとには周期的だが、粒の向きはバラバラ 「粒の集合」 平均すると等方的に見えやすい
アモルファス 長距離の周期性がない 規則が長く続かない 等方的になりやすい(ガラスなど)

※多結晶は「結晶ではある」が「単結晶ではない」という位置づけです。

2. 単位格子の読み方:格子定数と“単位格子中の原子数”

格子定数 $a,b,c,\alpha,\beta,\gamma$

結晶の「最小の繰り返し単位」を単位格子と呼びます。単位格子の形は、辺の長さ $a,b,c$ と、 辺同士のなす角 $\alpha,\beta,\gamma$ で指定できます。

\[ \text{単位格子の形}=(a,b,c,\alpha,\beta,\gamma) \] \[ \text{立方晶では }a=b=c,\ \alpha=\beta=\gamma=90^\circ \]

慣用単位格子 vs 原始単位格子(初学者向け)

  • 慣用(conventional)単位格子:対称性が分かりやすい形(教科書でよく見る立方体など)。
  • 原始(primitive)単位格子:体積が最小で、格子点がちょうど1個入る単位格子。

高校化学ではまず「慣用単位格子」を読めればOKです。

単位格子に含まれる原子数の数え上げ(角・面・体心)

原子は隣の単位格子と共有されるため、見えている原子の数をそのまま足すとズレます。基本ルールは次の通り。

位置 共有される単位格子の数 1つの単位格子に入る割合
8 個で共有 $1/8$ 立方体の8つの角
面の中央(面心) 2 個で共有 $1/2$ fcc の各面
体の中央(体心) 共有されない $1$ bcc の中心
例:bcc と fcc の原子数を数える

bcc(体心立方)

  • 角:$8\times\frac{1}{8}=1$
  • 体心:$1$
  • 合計:$Z=2$

fcc(面心立方)

  • 角:$8\times\frac{1}{8}=1$
  • 面心:$6\times\frac{1}{2}=3$
  • 合計:$Z=4$

3. 結晶系とブラベー格子:全体像と金属での頻出パターン

7結晶系・14ブラベー格子の俯瞰

3次元の周期格子(ブラベー格子)は14種類あり、7つの結晶系に分類されます。 高校では「全部暗記」より、金属で頻出の 立方晶六方晶 を確実にするのが効率的です。

結晶系 格子定数の条件(代表) 金属での重要度 メモ
立方晶 $a=b=c,\ \alpha=\beta=\gamma=90^\circ$ 最重要 bcc・fcc がここ
六方晶 $a=b\neq c,\ \alpha=\beta=90^\circ,\ \gamma=120^\circ$ 重要 hcp がここ
その他 正方晶・斜方晶・単斜晶・三斜晶・三方晶 発展 複雑固体で登場
14ブラベー格子を“言葉で”整理(必要範囲)

ブラベー格子は「結晶系(形)」に「格子点の入り方」を組み合わせて表します。立方晶なら代表は3つ:

  • P:角だけ(primitive)
  • I:角+体心(body-centered)
  • F:角+面心(face-centered)

※「格子点(繰り返し位置)」と「原子(基底)」は別概念。高校はまず“単位格子に原子がどう入るか”が主役です。

4. 金属の三大結晶構造:bcc / fcc / hcp(比較で一気に整理)

bcc / fcc / hcp は「形の暗記」より、原子数 $Z$・配位数 CN・充填率 APF の3点セットで覚えると強いです。

比較の3軸

  1. 配位数 CN(最近接原子の数)
  2. 充填率 APF(単位格子体積に対して原子球が占める割合)
  3. すべりやすさ(塑性変形の入口)
bcc(体心立方) fcc(面心立方) hcp(六方最密) 角 + 体心(中心に1原子) 角 + 面心(各面の中心に原子) 最密層がABAB…で積層(模式) ※模式図:位置関係の理解用(見やすさ優先で球の大きさ・透過は調整)。
bcc は「角+体心」、fcc は「角+面心」。hcp は六方晶で、最密層が ABAB… と積み重なるのが特徴です(模式図)。

bcc(体心立方)

  • 原子数:$Z=2$
  • 配位数:CN$=8$
  • 充填率:APF$\approx 0.68$

fcc(面心立方)

  • 原子数:$Z=4$
  • 配位数:CN$=12$
  • 充填率:APF$\approx 0.74$(最密)

hcp(六方最密)

  • 配位数:CN$=12$
  • 充填率:APF$\approx 0.74$(最密)
  • 積層:ABAB…(fcc は ABCABC…)

1行まとめ

fcc と hcp はどちらも最密(CN=12, APF≈0.74)。違いは「層の積み方」。 bcc は最密ではない(CN=8, APF≈0.68)

5. 最密充填と積層:ABC と AB、そして「空隙」

fcc=ABC…、hcp=AB…(積層の見取り図)

最密充填は「球を最もぎゅっと詰める並べ方」です。1層目を A とすると、2層目 B は A のくぼみに入ります。 3層目の置き方が2通りあり、Aに戻る(ABAB…)新しい位置Cへ行く(ABCABC…) に分かれます。

hcp:ABAB… fcc:ABCABC… A B A A B C ※層の位置関係の概念図(球の重なりは単純化)。
hcp は ABAB…、fcc は ABCABC… の積層。どちらも最密で、配位数・充填率は同じになります。

八面体孔・四面体孔(侵入型固溶体への伏線)

球を詰めると「どうしても埋まらない空間(空隙)」ができます。最密充填で代表的なのは次の2種類です。

  • 八面体孔(octahedral hole):周囲6個の原子で囲まれる空間。
  • 四面体孔(tetrahedral hole):周囲4個の原子で囲まれる空間。
(発展)空隙はいくつある?

最密充填(fcc/hcp)では、原子数を $N$ とすると、八面体孔は $N$ 個、四面体孔は $2N$ 個ある、という関係が成り立ちます。

6. 幾何でつなぐ:原子半径と格子定数の関係

bcc / fcc / hcp は、原子が「どの方向で接触しているか」が違います。硬球モデル(原子を半径 $R$ の球とみなす)では、 接触する方向の長さから $a$ と $R$ の関係式が導けます。

bcc:体対角で接触

\[ \text{体対角の長さ}=\sqrt{3}\,a \] \[ R+2R+R=4R \] \[ \therefore\ \sqrt{3}\,a=4R\ \Rightarrow\ a=\frac{4R}{\sqrt{3}} \]

fcc:面対角で接触

\[ \text{面対角の長さ}=\sqrt{2}\,a \] \[ R+2R+R=4R \] \[ \therefore\ \sqrt{2}\,a=4R\ \Rightarrow\ a=2\sqrt{2}\,R \]

hcp:底面で最近接、(理想)$c/a$ も決まる

hcp の底面では最近接距離が格子定数 $a$ に一致し、硬球モデルなら $a=2R$。 さらに「最密」条件から理想比 $c/a\approx 1.633$ が得られます。

(発展)理想 $c/a$ の雰囲気

A層の三角形のくぼみにB層原子が入ると、局所的に「正四面体」に近い幾何ができます。 その三次元幾何から層間距離が決まり、結果として $c/a=\sqrt{8/3}\approx 1.633$ が出ます。

注意

これらは「硬い球が接触する」という近似モデル。実際の金属では温度や電子状態で $a$ は変化しますが、高校の計算ではこのモデルが標準です。

7. 結晶から密度を出す:単位格子を使った計算の作法

密度計算は「金属結合の強さ」ではなく、単位格子の質量体積で押し切ります。

\[ \rho=\frac{\text{単位格子の質量}}{\text{単位格子の体積}} =\frac{Z(M/N_A)}{V_{\text{cell}}} =\frac{Z\,M}{N_A\,V_{\text{cell}}} \] \[ \text{立方晶なら }V_{\text{cell}}=a^3\Rightarrow \rho=\frac{Z\,M}{N_A\,a^3} \]

ミス防止チェック

  • $a$ の単位:$\mathrm{\AA}=10^{-8}\,\mathrm{cm}$、$\mathrm{nm}=10^{-7}\,\mathrm{cm}$
  • $Z$:bcc=2、fcc=4(hcp は扱いが発展寄り)
  • $M$ は g/mol、$N_A$ は mol$^{-1}$

典型例:Fe(bcc)

\[ Z=2,\quad M(\mathrm{Fe})=55.845\,\mathrm{g/mol},\quad a=2.866\times10^{-8}\,\mathrm{cm} \] \[ \rho\approx\frac{2\times55.845}{(6.022\times10^{23})(2.866\times10^{-8})^3} \approx 7.87\,\mathrm{g/cm^3} \]

典型例:Cu(fcc)

\[ Z=4,\quad M(\mathrm{Cu})=63.546\,\mathrm{g/mol},\quad a=3.615\times10^{-8}\,\mathrm{cm} \] \[ \rho\approx\frac{4\times63.546}{(6.022\times10^{23})(3.615\times10^{-8})^3} \approx 8.93\,\mathrm{g/cm^3} \]

8. 結晶方向・結晶面の表記:指数を「読める/書ける」

方向:[uvw]、族:<uvw>

結晶中の向きは [uvw] で表します。立方晶では [100](辺方向)、[110](面対角)、[111](体対角)が基本セットです。 対称性で等価な方向の集まりは <uvw> と書きます。

面:(hkl)、族:{hkl}

面は (hkl)、等価な面の集まりは {hkl}。ミラー指数は「切片→逆数→整数化」で作ります。

ミラー指数の手順

  1. 面が各軸を切る位置(切片)を $a,b,c$ を単位にして表す
  2. 切片の逆数を取る
  3. 分数を払って最小の整数比にする → (hkl)
例題:切片→(hkl)

例1:切片が $(1,1,1)$ → 逆数も $(1,1,1)$ → (111)

例2:切片が $(1,\infty,1)$ → 逆数は $(1,0,1)$ → (101)

指数0は「その軸方向に平行(切らない)」の意味。

マイナスの指数

反対向きに切ると負の指数になり、バーで表します(例:$(\bar{1}11)$)。

9. 面間隔 $d_{hkl}$ と幾何:回折の手前まで

立方晶の $d_{hkl}$(まずはここを確実に)

立方晶では、(hkl) 面の面間隔は次式で表せます。XRDで「角度→$d$→$a$」とつなぐ中心公式です。

\[ d_{hkl}=\frac{a}{\sqrt{h^2+k^2+l^2}} \] \[ \Rightarrow\ \frac{1}{d_{hkl}^2}=\frac{h^2+k^2+l^2}{a^2} \]
(発展)六方晶の扱いが難しくなる理由

六方晶は $a=b\neq c$ で角度も $120^\circ$ を含むため、面間隔の式が立方晶ほど単純になりません。 高校では立方晶の式を確実にするのが最優先です。

10. X線回折入門:構造を「当てる」ための最短コース

ブラッグの法則と回折ピークの意味

結晶面を等間隔の“反射面”とみなすと、反射波が強め合う条件がブラッグの法則です。

\[ n\lambda=2d\sin\theta \quad (n=1,2,3,\dots) \]

粉末XRDで何が分かる?

  • 格子定数($a$ など)
  • 相同定(どの相・どの結晶構造か)
  • 結晶性(ピークの鋭さ・広がり)
(発展)指数付け(indexing)の雰囲気

立方晶では $d_{hkl}=a/\sqrt{h^2+k^2+l^2}$ と組み合わせて、ピーク列の規則性から (hkl) を割り当てていきます。 さらに格子タイプにより「出ない反射(系統欠損)」が現れます(bccやfccの判定に使える)。

11. 単結晶・多結晶・テクスチャ:現実の金属は「粒の集合」

教科書の単位格子は“理想単結晶”の話ですが、実材料は多くの場合 多結晶 で、結晶粒(grain)の集合です。

粒(grain)を入れると何が起こる?

粒ごとに方位が違うと異方性が平均化され、材料が“だいたい等方的”に振る舞いやすくなります。 一方で粒界は欠陥の集まりでもあり、強度や腐食などに影響します。

(発展)テクスチャ(集合組織)

圧延などで粒の向きがそろうと平均しても異方性が残ります。これがテクスチャ(集合組織)で、材料特性の差の原因になります。

12. 欠陥I:点欠陥(空孔・置換・間隙)を結晶学で見る

“理想結晶(欠陥ゼロ)”は例外で、現実の固体には欠陥が存在します。欠陥は拡散・抵抗・強度など多くの現象の出発点です。

点欠陥の3つ

  • 空孔:本来あるはずの位置に原子がいない
  • 置換:別原子が格子点を置き換える
  • 間隙:原子が空隙に入り込む

なぜ空孔が“自然に”できる?

  • 空孔はエネルギー的には不利だが、配置の数(エントロピー)を増やす
  • 温度があると統計的に「ゼロでない空孔濃度」が平衡になる

13. 欠陥II:転位とすべり(塑性変形の“本体”)

金属が延性を持つのは、原子面がずれる すべり が起こり、その“運び屋”として 転位 が働くためです。

刃状転位(edge) らせん転位(screw) 余分な半原子面 →ひずみ集中 層が“ねじれ”たようにずれる
転位は線状欠陥。刃状=余分な半原子面、らせん=ねじれたずれ、という直感でOK。

すべり系:どの面・どの方向が動きやすいか

すべりは「原子が密に詰まった面」と「密に並ぶ方向」で起こりやすい、というのが入口の考え方です。

構造 すべりのしやすさ(直感) ポイント
bcc 低温で動きにくいことが多い “真の最密面”がなく、すべりに活性化が必要になりがち
fcc 動きやすい(延性が高くなりやすい) 最密面があり、すべり系が多い
hcp 方向の制限を受けやすい 主なすべり面が限られ、双晶が関与することも

14. 粒界・双晶・積層欠陥:面欠陥が作る物性の個性

粒界の意味(強度・脆性・耐食性の入口)

粒界は結晶粒の境界で、原子配列が乱れる領域です。転位の移動を止めたり、化学的に反応しやすくなったりするため、 強度・靱性・腐食などの入口になります。

双晶、積層欠陥(fcc/hcp と相性が良い話題)

双晶は鏡映関係にあるような規則ある境界。積層欠陥は最密層の並び(ABC/AB)が途中で乱れた状態です。 fcc/hcpは“積層”がテーマなので自然につながります。

15. 金属の相変態と多形:同じ元素でも結晶が変わる

同素変態(例:鉄の bcc↔fcc)

同じ元素でも温度や圧力で安定な結晶構造が変わることがあります(同素変態)。 鉄は代表例で、温度により bcc と fcc を行き来します(純鉄・常圧の代表値)。

構造 温度範囲(概略) 呼び名(材料)
α-Fe bcc 〜 912 ℃ フェライト
γ-Fe fcc 912 ℃ 〜 1394 ℃ オーステナイト
δ-Fe bcc 1394 ℃ 〜 融点 (高温相)
(発展)マルテンサイト変態は概念だけ

マルテンサイト変態は、原子が長距離拡散せずに協同的な変位で起こる(拡散を伴わない)相変態の代表例です。 高校では「急冷で拡散できず別構造が凍りつく」くらいの理解でOKです。

16. 合金の結晶構造:固溶体と金属間化合物(構造に焦点)

置換型固溶体・侵入型固溶体(空隙の話と接続)

  • 置換型固溶体:溶質原子が格子点を置き換える(サイズ差が小さいと起こりやすい)
  • 侵入型固溶体:溶質原子が空隙に入る(小さい原子が有利)

金属間化合物(規則構造)の入口

ある組成で原子の並び方が規則的に決まる固体は金属間化合物と呼ばれます。 「ランダムに置換される固溶体」より、秩序だった配置を持つイメージです。

(発展)ヒューム=ロザリー則の直感

サイズ差が大きいと格子がひずみすぎて不利、構造が違うと並び替えにコストがかかる…といった直感で理解すると覚えやすいです。

17. 研究者への窓:空間群・CIF・構造データベースの入口

空間群の意味(“対称操作”の直感)

結晶は平行移動だけでなく、回転・反転・すべり・ねじれなどの対称操作を持ちます。 それらをまとめて分類したものが空間群です。

CIFを読む/使う:構造の共通フォーマット

研究では結晶構造を CIF(Crystallographic Information File)というテキスト形式でやり取りすることが多く、 格子定数・空間群・原子座標などがタグとして並びます。

CIFの“雰囲気”サンプル(短い例)
data_example
_cell_length_a    3.615
_cell_length_b    3.615
_cell_length_c    3.615
_cell_angle_alpha 90
_cell_angle_beta  90
_cell_angle_gamma 90
_space_group_name_H-M_alt  'Fm-3m'

※実際のCIFは原子座標や占有率なども含みます。

代表的DB(Pearson / ICSD など)への導線

既知の結晶構造はデータベース化されています。構造を調べるときは「格子定数」「空間群」「原子位置」をセットで確認できると強いです。

(発展)第一原理計算で格子定数を出す(最短)

DFTなどの第一原理計算では、格子定数を少しずつ変えたときのエネルギー最小条件を探索して、安定な格子定数を見積もれます。

PDF(紙で復習したい人へ)

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※PDFは“最終確認用”。Web本文で「なぜそうなるか」を理解してから使うと定着が速いです。

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